原題は"spectrums"。
本書の標題は「極大と極小への冒険」だからか、越谷市立図書館では日本十進分類が 413.1、 つまり解析学の一般的基礎.極限論になっている。しかし内容は、宇宙のような非常に大きな空間から、 素粒子のような非常に小さな空間までを科学的に解説する読み物である。ここで、極大や極小は、 微分学における極大値や極小値という意味ではなく、至極大きい、至極小さいという意味に解するべきである。 したがってこの 413.1 という分類には残念ながら該当しない。
アメリカで刊行される本は、長さにはヤードを、質量にはポンドを使うものが多い気がする。 その理由はわからなかったが、本書の p.043 の memo を見てわかった。引用する。
ほとんどのアメリカ人は知らないが、 アメリカではメートル法の採用をめぐって 200 年以上議論が続いている。 メートルを使うかマイルを使うかの議論は、 アップルパイやジョージ・ワシントンと同じくらいアメリカを象徴するものなのだ (ワシントンは最初の大統領就任演説でこの問題を世に知らしめた人物だ)。(後略)
p.052 の最後の段落を引用する。
一方、私たち一般人はもっとずっとわかりやすい測定単位、「光年(ly)」を使う。 光は常に同じ速さで進む。真空ではほぼ秒速 299,792,458 m きっかりだ。
なぜほぼ
でかつきっかり
なのだろうか。この値は定義であるから「きっかり」であることは正しい、
では「ほぼ」はどうしてついたのだろうか。原文はどのようなものかわからないのでなんともいえない。
書名 | 極大と極小への冒険 |
著者 | デイヴィッド・ブラットナー |
監訳者 | 柴田裕之 |
訳者 | 市川 美佐子 |
発行日 | 2014 年 7 月 8 日 第 1 刷 |
発行元 | 紀伊國屋書店 |
定価 | 2000 円(本体) |
サイズ | A5 版 223 ページ |
ISBN | 978-4-314-01115-0 |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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