緒言から引用する。第 1 巻(本書)は結晶構造および結晶物理学のしっかりとした基礎知識を与えるものである.
「第1章 対称操作」からして、私は頭が弱いので難しい。冒頭で、PF3Cl2 という分子の対称操作が説明されている。 本書ではこの分子は分子式しか書かれていないが、日本語では三フッ化二塩化リンと、また英語では Phosphorus trifluorodichloride と読むようだ。 この分子に関して具体的な対称操作とそのシェーンフリース記号を学んでいく。なかなか大変である。 p.6 でまとめて次のように述べられている。
PF3Cl2分子は主軸のまわりに `E, C_3, C_3^2` をもつ. また,主軸を含む 3 枚の `sigma_v` が存在し,主軸と垂直に 3 本の `C_2'` と 1 枚の `sigma_h` が存在する.したがって, `S_3` と `S_3^5` も存在することになる.結局,この分子には,`E, C_3, C_3^2, 3C_2', 3sigma_v, sigma_h, S_3, S_3^5` の 12 個の対称操作があることになる.
ここで `S_n` というのは回映(improper notation)と呼ばれる操作で、`2pi // n` 回転のあと,続けて水平面による鏡映を行う操作である。 この回映はわかりにくい。
図 1.6 は、点群を決定するための流れ図である。これをプログラム風にしてみよう。
if (Cn)
if (S2n だけ)
S4 または S6
else if (C'2)
if (σk)
Dnh
else if (σd)
Dnd
else
Dn
else if (σk)
Cnh
else if (σv)
Cnv
else
Cn
else if (σ)
C1k
else if (i)
Ci
else
C1
これはスパゲッティコードといえるだろう。if else のネストを防ぐ方法として何かあったはずだが、忘れてしまった
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 結晶としての固体 |
著者 | G.バーンズ |
発行日 | 1989 年 11 月 20 日 第 1 刷 |
発行元 | 東海大学出版会 |
定価 | 2000 円(本体) |
サイズ | A5 版 ページ |
ISBN | 4-486-01084-1 |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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