副題は『未完成』から『悲愴』まで
面白かった。
ブラームスについていくつか金聖響には誤認があるt思われる。
pp.197-201 にかけてブラームスの交響曲第2番について、金聖響が解説している。p.200 では、第4楽章について、(前略)この最終楽章のはじまりも、弱音器をつけた弦楽器によって、♪レ・#ドレ#ファ……と始まります。
とある。スコアやパート譜を見ると、ここには sotto voce(柔らかな音で)という指示はあるが、実際にはどの弦楽器も弱音器(ミュート)をつけろ、という指示はない。
さらにいえば、やわらかい印象のある本曲では、弦楽器が弱音器をつけるような指示(con sordino)は一か所もない。
また、p.201 で、ブラームスが作った作品を列挙しているなかで、『大学祝典序曲』(予備校のCMで使われた音楽です)
とあるが、私の認識では予備校のCMで使われた音楽ではなく、
ラジオの大学受験講座のオープニングで使われた音楽だ。予備校と大学受験講座は似ているが違うし、CM(で使われた音楽)とオープニング(で使われた音楽)も似ているが違う。
私が大学受験したころの 1980 年代、少なくとも関東の受験生は私と同じ認識だったはずだ。
p.199 右から2行め対抗配置
とあるが、正しくは《対向配置》だろう。対向配置の意味については、本書を見られたい。
| 書名 | ロマン派の交響曲 |
| 著者 | 金聖響・玉木正之 |
| 発行日 | 2009 年 5 月 20 日(第1刷) |
| 発行元 | 講談社 |
| 定価 | 760 円(税別) |
| サイズ | |
| ISBN | 978-4-06-287990-3 |
| その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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