金聖響・玉木正之:ロマン派の交響曲

作成日 : 2025-11-23
最終更新日 :

概要

副題は『未完成』から『悲愴』まで

感想

面白かった。

ブラームスについて

ブラームスについていくつか金聖響には誤認があるt思われる。

pp.197-201 にかけてブラームスの交響曲第2番について、金聖響が解説している。p.200 では、第4楽章について、(前略)この最終楽章のはじまりも、弱音器をつけた弦楽器によって、♪レ・#ドレ#ファ……と始まります。 とある。スコアやパート譜を見ると、ここには sotto voce(柔らかな音で)という指示はあるが、実際にはどの弦楽器も弱音器(ミュート)をつけろ、という指示はない。 さらにいえば、やわらかい印象のある本曲では、弦楽器が弱音器をつけるような指示(con sordino)は一か所もない。

また、p.201 で、ブラームスが作った作品を列挙しているなかで、『大学祝典序曲』(予備校のCMで使われた音楽です)とあるが、私の認識では予備校のCMで使われた音楽ではなく、 ラジオの大学受験講座のオープニングで使われた音楽だ。予備校と大学受験講座は似ているが違うし、CM(で使われた音楽)とオープニング(で使われた音楽)も似ているが違う。 私が大学受験したころの 1980 年代、少なくとも関東の受験生は私と同じ認識だったはずだ。

誤植

p.199 右から2行め対抗配置とあるが、正しくは《対向配置》だろう。対向配置の意味については、本書を見られたい。

書誌情報

書名ロマン派の交響曲
著者金聖響・玉木正之
発行日2009 年 5 月 20 日(第1刷)
発行元講談社
定価760 円(税別)
サイズ
ISBN978-4-06-287990-3
その他川口市立図書館にて借りて読む

まりんきょ学問所読んだ本の記録 > 金聖響・玉木正之:ロマン派の交響曲


MARUYAMA Satosi