初心者が抵抗なく,正しい推論技術を習得できるように,きわめてわかりやすい表記法で書かれたテキスト.
要再読である。
索引がないのが不便である。
本書では第1部は「真理関数論」であり、第2部が「量化理論」である。通常、第1部に相当する領域は命題論理と呼ばれ、第2部に相当する領域は述語論理と呼ばれる。
なぜ述語論理が量化理論という名前なのか、不思議におもったが、
p.109 で、(前略)この論理は述語論理 predicate logic とも呼ばれるが,本書においては,
W. V. O. Quine によって与えられた量化理論 quantification theory という名称を用いることにする.
とあるので、
クワインの用語にならったということなのだろう。
言明結合詞の一覧表が p.15 にまとめられている。
否定記号 | 「\( \neg \)」 | : | 「\( - \)」,「\( \sim \)」,「\( N \)」 |
連言 | 「\( \cdot \)」 | : | 「\( \land \)」,「\( K \)」 |
選言 | 「\( \lor \)」 | : | 「\( A \)」 |
条件法 | 「\( \supset \)」 | : | (含意記号)「\( \rightarrow \)」,「\( C \)」 |
双条件法 | 「\( \equiv \)」 | : | (等値記号)「\( \leftrightarrow \)」,「\( E \)」 |
この表を見ると、他の記号論理学で採用されている記号とかなり異なることがわかる。
p.131 の後ろから2行目、加算無限個存在する.
とあるが、正しくは、可算無限個存在する.
だろう。
なお他にも、p.68 の上から 5 行めなどに、加算無限個存在
の表記がある。
pp.132-133 に主要妥当式一覧があるので、MathJax の練習がてら一部を書いてみた。
11 以降は略した。練習がてらとはいえ、さすがに多い。本書には計 58 式が収められている。
論理式の記述ではMathJax を用いている
書名 | 記号論理学 |
著者 | 藤川吉美 |
発行日 | 1995 年 4 月 25 日(新装新版第1刷) |
発行元 | 大竹出版 |
定価 | 2500 円(本体) |
サイズ | |
ISBN | 4-87186-036-1 |
NDC | 116.3 |
備考 | 越谷市立図書館で借りて読む |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 藤川吉美:記号論理学