藤川吉美:記号論理学

作成日 : 2025-08-23
最終更新日 :

概要

巻末の教科書宣伝文から引用する。

初心者が抵抗なく,正しい推論技術を習得できるように,きわめてわかりやすい表記法で書かれたテキスト.

感想

要再読である。

索引がないのが不便である。

本書では第1部は「真理関数論」であり、第2部が「量化理論」である。通常、第1部に相当する領域は命題論理と呼ばれ、第2部に相当する領域は述語論理と呼ばれる。 なぜ述語論理が量化理論という名前なのか、不思議におもったが、 p.109 で、(前略)この論理は述語論理 predicate logic とも呼ばれるが,本書においては, W. V. O. Quine によって与えられた量化理論 quantification theory という名称を用いることにする.とあるので、 クワインの用語にならったということなのだろう。

論理記号

言明結合詞の一覧表が p.15 にまとめられている。

否定記号「\( \neg \)」:「\( - \)」,「\( \sim \)」,「\( N \)」
連言「\( \cdot \)」:「\( \land \)」,「\( K \)」
選言「\( \lor \)」:「\( A \)」
条件法「\( \supset \)」:(含意記号)「\( \rightarrow \)」,「\( C \)」
双条件法「\( \equiv \)」:(等値記号)「\( \leftrightarrow \)」,「\( E \)」

この表を見ると、他の記号論理学で採用されている記号とかなり異なることがわかる。

誤植

p.131 の後ろから2行目、加算無限個存在する.とあるが、正しくは、可算無限個存在する.だろう。 なお他にも、p.68 の上から 5 行めなどに、加算無限個存在の表記がある。

主要妥当式一覧

pp.132-133 に主要妥当式一覧があるので、MathJax の練習がてら一部を書いてみた。

  1. \( \models \forall x F(x) \supset F(a) \)
  2. \( \models F(a) \supset \exists x F(x) \)
  3. \( \models \forall x F(x) \supset \forall x F(x) \)
  4. \( \models \exists x F(x) \supset \exists x F(x) \)
  5. \( \models \forall x F(x) \supset \exists x F(x) \)
  6. \( \models \forall x F(x) \lor \neg \forall x F(x) \)
  7. \( \models \exists x F(x) \lor \neg \exists x F(x) \)
  8. \( \models \forall x F(x) \lor \exists x \neg F(x) \)
  9. \( \models \exists x F(x) \lor \forall x \neg F(x) \)
  10. \( \models \forall x F(x) \equiv \neg \exists x \neg F(x) \)

11 以降は略した。練習がてらとはいえ、さすがに多い。本書には計 58 式が収められている。

感想

論理式の記述ではMathJax を用いている

書誌情報

書名記号論理学
著者藤川吉美
発行日1995 年 4 月 25 日(新装新版第1刷)
発行元大竹出版
定価2500 円(本体)
サイズ
ISBN4-87186-036-1
NDC116.3
備考越谷市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi