「はじめに」から引用する。<この本では、なぜ高血圧になるのか、 どんな病気を生み出すのか、最近いちじるしくふえている糖尿病など他の病気との関係についても解説します。>
私は高血圧という病気で死ぬ、ということはないと思っていた。 しかし、高血圧がもとで心臓病や腎臓病になり、 その結果死に至ったり、生活の質(QOL)が低下したりする、ということがわかった。
また、高血圧は生活習慣によるものが大きい(そうでないものもある)。習慣によって病気が予防できるのなら、それに越したことはない。 私はどういうわけか最高血圧が 100 から 110 の間に入るほど低めだ。ときどき高い時もあるがそれでも 130 未満である。 ではどんな生活習慣をしているかというと、食べたいものは普通に食べている。ただ、しょうゆや塩などの塩分は極力控えている。 たとえ塩気がなくてまずい、と思ってもだ。味気ないものを食べるのに慣れないといけない、と思っているからだ。 それでも、ラーメンやうどんのつゆを最後まで飲んでしまうことが最近増えた。節制しないと。
高血圧の治療・予防には塩分を控える、というのはよく聞く。では、1 日の必要摂取量はどの程度なのか。 欧米では 1 日 5 グラムから 7 グラムを目標にしているところもある、というのだ (p.119)。 これと、ふだんの食事の食塩含量を照らし合わせると驚いてしまう。ラーメン 1 杯 5 グラムから 6 グラム、 焼きそば 1 皿 5 グラム、にぎりずし一人前 5 グラム、みそ汁 1 杯 1 グラム から 2 グラム、梅干し 1 個 2 グラムなどである (pp. 120-121) 。 かりに 1 日 5 グラムで区切ると、1 日には ラーメン 1 杯か、焼きそば 1 皿か、にぎりずし 1 人前しか食べられないことになる。 にぎりずしはしょうゆをつけることが前提なのか。もしつけずに 5 グラムあるのならば寿司もろくに食べられないことになる
なお、私は回転ずしでも極力しょうゆは付けず、そのままかわさびのみかで食べることにしている。
p.136 ではアルコールにかんしては、毎日一合ぐらいの飲酒は心臓病の予防にいいといわれている。
(中略)HDL という善玉コレステロールの濃度を上げる作用があり、ストレスの解消にも役立つ点があるのではないかといわれている。(後略)
わたしは健康診断でずっと、HDL の値が非常に低いと指摘され続けてきた。 HDL 値が低い原因は運動不足や喫煙だが、喫煙はしたことがない。運動不足といわれても、 1 日一万歩以上歩いて運動不足と言われたくはない。そんなこんなでがっくりするのだ。 飲酒が HDL 値を上げると書いてあるのはよかったが、健康診断の前後でも毎日一合ぐらいの飲酒はしていた。 ということは HDL 値を上げる手立てはないことになる。
書名 | 血圧の話 |
著者 | 尾前 照雄 |
発行日 | 1996 年 7 月 5 日 第 4 刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 631 円(本体) |
サイズ | ??版 |
NDC | 491.325 |
ISBN | 4-00-430447-4 |
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