福島 正信:自然農法 わら一本の革命

作成日: 2016-09-25
最終更新日:

概要

今注目の自然農法。

自然と放任

p.22 に、著者ははじめ「放任」ということと、「自然」ということを、ごっちゃにしていたと書いている。 著者はミカン山へ入って無剪定ということをやって放任したとき、ミカン山をむちゃくちゃにしてしまった、 とある。その結果、自然型とは何ぞやということを問題として永い間模索してきたという。そして、自然型というものを作るようになってくると、 剪定というような技術も必要なくなった、といっている。

ここで疑問なのは、自然型を作る作業は何といえばいいのだろう、ということである。形を作ることは剪定そのものなのではないか、 とバカな私は思ってしまう。

肥料のこと

この本について書かれた批評を見てみると、肥料はいらない、といっておきながら乾燥鶏糞はやっているではないか、 ということがある。 この本のp.5には、麦の育て方として、 一口に言えば、農機具もいらない、農薬も肥料もいらない、そして、やりかたといえば、ただ稲のあるうちに、 稲の頭の上から麦をばらまいて、稲を収穫したときに出来たわらを、その上にふりまいただけなんです。 といっている。そうなのだろう。でも、p.4 には実は、この田圃は,この三十五年間,全く耕したことがない。化学肥料は全く使ったことがない。 病虫害の消毒剤も使っていない。とある。肥料には化学という修飾語がついている。一つ一つ丁寧にみていかないといけないということだろう。

自然農法の四大原則

著者は四大原則こういっている。

これらは原則であるから、原則を破る場合があるのも当然だろう。

労働という言葉

著者はこう言っている。(p.143)

だいたい私は、労働という言葉がきらいなんです。別に、人間は働かなきゃいけないという動物じゃないんだ。 働かなきゃいけないということは、動物の中でも人間だけですが、 それは、もっともばかばかしいことであると思います。(中略) 額に汗をして勤労するなんてことは、一番愚劣なことであって、そんなものはやめてしまって、悠々自適の、 余裕のある生活を送ればいい。

これには激しく同意する。

書 名自然農法 わら一本の革命
著 者福島 正信
発行日1983 年 5 月 30 日(第一刷)1986 年 4 月 10 日(第六刷)
発行元春秋社
定 価1,600円(本体)
サイズA5 判
ISBN4-393-74103-X
その他

まりんきょ学問所読んだ本の記録 > 福島 正信:自然農法 わら一本の革命


MARUYAMA Satosi