須藤武雄:法医学の現場から

作成日 : 2023-11-09
最終更新日 :

概要

裏表紙から引用する。毛髪鑑識の第一人者が、科学捜査の現場から三十年間の体験を語る。

「文庫のあとがき」で p.240 に次のようなことが書かれている。

小著は、長年毛髪を中心とした鑑識の仕事に携わっている間に体験した出来事や感想をつづったエッセイで、 『決め手』と題して昭和五十三年九月、時事通信社から出版された。

本書はこの時事通信社からの本の改題である。もっとも、一字一句たがえずにそのまま出版したのではなさそうだ。p.89 にある「法歯学」の項では、 歯の知識や技術を法医学に応用したものが「法歯学」であることを述べたうえで、入れ歯や義歯の特徴から被害者の身元に割り出しに使われることを挙げて、 六十年八月に起った日航ジャンボ機墜落事故の場合もそうである。と説明されているからだ。

本書は大きく二部に分かれている。前半の「科学捜査の現場から」では、科学捜査全般の説明に始まり、物的証拠の例として、 指紋、血液型、毛髪、ポリグラフ、スーパーインポーズ法、複眼法、法歯学、声紋について述べられている。後半の「私の事件メモ」では、 著者が専門としていた毛髪鑑識に関する諸事例が描かれている。

感想

なかなかおもしろい。後半のメモでは、ある有名な殺人事件についても(仮名ではあるが)それとわかる記述がある。

書誌情報

書名 法医学の現場から
著者 須藤武雄
発行日 1986 年(昭和61年) 4 月 25 日(第 5 版)
発行元 中央公論社
定価 360円
サイズ
ISBN 4-12-201274-0
その他 千葉市の Books Kiddy Land で購入。現在は処分したので手元にない

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MARUYAMA Satosi