岩波 明:ビジネスマンの精神科 |
作成日: 2013-01-14 最終更新日: |
企業管理のリスクとして、精神疾患は重要な要素である。 精神疾患の種類を挙げて、体系的に解説している。
私もうつ病と診断されて薬をもらっている。薬とは縁が切れないのかと不安に思いつつ、 毎日服用している。今のところ、通常の生活をするにはなんとかなっている。
さて、私は本当にうつ病なのだろうか。本書の第2章は「うつ病」、第4章は「うつ状態」である。
第4章のはじめのあたりで、著者は臨床的な印象としては、必ずしも医療を必要としない人まで、
精神科を受診している場合がよくみられる。
という。
今の勤務先では、会社を何度もやめたいと思ったことがある。1回めと2回めはなんとか耐えた。 とくに2回めは上司との折り合いが悪く、顔も見たくない状況だった。 私は何度もやめると宣言したが、周りの人が留めてくれて、別の職場に異動になったことで収まった。 その後、3回めの辞めたい気持ちが襲ってきた。これは会社をやめる元気まで奪うものだった。 これはいけない、と思い勤務先の保健師に相談した。 保健師には自宅近くの診療所をいくつか医院の候補を探してもらい、 電話で見てくれるかいくつかの医院に聞いてみた。2軒目の医院が受け入れを了承してくれたので、 その日のうちに早退して診察してもらった。 2年ほど薬を飲んだが、その後自分の判断で服薬をやめ医院にもいかなくなった。 服薬を辞めた2年後に別の問題が起きて再発した。 恥をしのんで再度保健師に相談し、中断していた医者に通うことにした。 もう再発はこりごりだから、今も医院には通い続けている。
私は、人生そのものは楽しいと思っているし、楽しく生きる自信もある。ただ、 気分の落ち込みが激しいときがあるのは、病気だろうと思っている。打たれ弱い、ということだ。 それでも、私は医療を必要としている患者だと思いたい。
著者はいう。フロイト流の精神分析は何一つ役に立たない。なるほど、そうかもしれない。 そして、ついでにマルクスにまで言及する。マルクスの提唱した共産制はことごどく崩壊した。 それみろ、ということである。
精神科の本でそこまで悪態をつくことはないと思う。なぜ、彼ら二人を出したのか疑問が残る。
著者は漢方薬にたいしても不信の目を向ける。漢方薬でも副作用がある。また、効き目についても、 二重盲検法でのチェックが義務付けられている西洋医学の薬に対し、 東洋医学の漢方薬は効き目の検証が不十分である、という意味のことを述べている。
確かにその通りだとは思う。かみさんも私もカゼをひくと薬としての葛根湯を飲むが、 ほとんど効いたためしがない。しかし、少なくとも私は、西洋医学の薬は飲みたくない。 副作用がこわいのだ。だったら葛根湯を飲む必要もないのでは、としてする人もいるだろう。 これは人間がバカなので、せめて自分がカゼをひいているという状態を確かめるために飲む儀式である。 そして、利かないのは安静の度合いが足りないからだろう、ということにしている。
書 名 | ビジネスマンの精神科 |
著 者 | 岩波 明 |
発行日 | 2009 年 10 月 20 日 |
発行元 | 講談社(講談社現代新書) |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | ??版 |
ISBN | 978-4-06-288020-6 |
NDC | 493.7 : 内科学 |
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