土屋 賢二:日々是口実

作成日: 2019-01-25
最終更新日:

概要

土屋先生のユーモアエッセイ。

文豪

カバー裏の著者紹介は、著者文責のもと、次のようにある:

かつて文豪たちが 「わたしは自分の口実を神聖なものにしようとしていた」 「口実の多い生涯を送って来ました」 「親譲りの口八丁で子供のときから口実ばかり言っている」 と書き記したように、(後略)

第2のもじりは、太宰治の『人間失格』から、「恥の多い生涯を送って来ました」だということがわかった。 また第3のもじりは、夏目漱石の『坊っちゃん』から、 「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」からの引用だということがわかった。 では、第1のもじりはなんだろう。読んだことがない小説だろう。少し調べたら、 有島武郎の『生れ出づる悩み』の冒頭であることがわかった。 「私は自分の仕事を神聖なものにしようとしていた」で始まる小説だ。これは読んだことがなかった。 いつかは読まないといけないのだろうか。

内容

想像による蓄財法

標題に関連して、このような例示がある。

世の中にはラーメン一杯のために東京から北海道まで飛行機で行く人もいる (さすがに東京から東京のラーメン屋に行くのに飛行機に乗る人はいない)。

ここのカッコ書きの中を見て笑った。しかし、笑い終えたあとで、ひょっとしたら、 このような人がいるのではないかと疑った。たとえば、東京都の二十三区内に住んでいる人が、 八丈島のラーメンを食べたいと思えば、 羽田空港から八丈島空港まで飛行機に乗っていくのではないか。あるいはその逆も考えられる。

しかし、あまり疑いすぎるのも良くないのではないかと思ったりする。

書誌情報

書 名日々是口実
著 者土屋 賢二
発売日2020 年 2 月 10 日第1刷
発売元文藝春秋
定 価630 円(税別)
サイズp ; 15cm
ISBN978-4-16-791444-8
その他文春文庫
NDC

まりんきょ学問所読んだ本の記録土屋 賢二:日々是口実


MARUYAMA Satosi