木村護郎クリストフ、渡辺克義[編]:媒介言語論を学ぶ人のために

作成日: 2014-06-29
最終更新日:

概要

媒介言語とは何か。媒介言語の実例をさまざまな角度から俯瞰する。

感想

English as Lingua Franca

ELF ということばがある。English as a Lingua Franca の略で、Lingua Franca としての英語、という意味である。 では Lingua Franca というのは何かというと、共通の母語を持たない人同士の意思疎通に使われている言語のことを指す。 したがって、「共通語」、「通商語」という意味になる。

同書第7章「媒介言語としての英語の実際使用場面」(著者:リサ・フェアブラザー)では、 非英語話者どうしでの媒介言語の ELF をさぐる試みである。 このような状況下で ELF が使用される場面(以下、ELF 場面)を分析した結果が興味深い。 一般には、ELF 場面はうまくいくという。うまくいかない場合は、たとえば調整の失敗がある。ここでいう調整とは、 相手の発話がわからない場合に意味をわかろうとするためにとる行為である。調整が失敗するというのは、 たとえば聞き返された側は自分のメンツが傷つけられたと感じて非協力的になったり、 あるいは相手を能力が劣るとしてバカにしたり、というようなことを表しているようだ。

書誌情報

書 名媒介言語論を学ぶ人のために
著 者木村護郎クリストフ、渡辺克義[編]
発行日2009 年 8 月 20 日 第 1 版
発行元世界思想社
定 価2300 円(本体)
サイズ
ISBN978-4-7907-1425-5
その他草加市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi