鎌田 浩毅:ブリッジマンの技術 |
作成日: 2013-04-13 最終更新日: |
人は誰しも自分の枠をもっている。著者はそれをフレームワークとよび、 相手のフレームワークを知ることで人間関係を円滑に進めることができると主張する。 そのような技術に長けた人を、著者はブリッジマンと呼ぶ。
この本は一度借りていて、内容をすっかり忘れてしまった。 二度目に借りた時に、最初に借りたことすらすっかり忘れてしまった。
この本がいいところは、著者の失敗談がいたるところで披露されているところだ。 「人の不幸は蜜の味」とはよくいったもので、楽しく読み進むことができた。
二度めに読んだとき、最初に読み飛ばした挿話で胸に染みるものがあった。引用する。
東京の南のある伊豆大島は、日本でも有数の活火山である。ここは行政上は東京都に属するのだが、 離島という環境から独特の言語が使われてきた。 島では昔から水がたいへん貴重で、ここの火山を長年研究してきた中村一明教授はこのように書いている。
大島では金を湯水のように使うといえば、お金を大事にするという意味だ(中略) 大島名物の一つである牛乳せんべいも、もとはといえば粉をねるのに水の代りに牛乳を使ったのが始まりだという話をきいたことがある。 (中略)深く切れ込んだ谷は沢山あるのに谷底には水がほとんど流れていない。
フレームワークを説明するための引用であるが、印象に残った。
書 名 | ブリッジマンの技術 |
著 者 | 鎌田 浩毅 |
発行日 | 2008年12月20日 |
発行元 | 講談社 |
定 価 | 720 円(税別) |
サイズ | 新書版 |
ISBN | 978-4-06-287972-7 |
その他 | 講談社現代新書, 図書館で借りて読む |
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