山田 雅重:日本語の発想・英語の発想 |
作成日: 2015-05-16 最終更新日: |
英語を学ぶ上で知っておくべき、日本語の相違点。
面白い発想が得られることを期待して読み進めていったのだが、満たされぬまま終わった。 どうも英語偏重のような気がしてならなかった。 偏重というのは、ヨーロッパを英語で代表させているのではないかという疑いと、 日本語より英語のほうが優れていると内心思っているのではないかという疑いの両方を指している。 後者の例を挙げる。4頁、「さようなら」の説明である。
英語のGood-byeには「別れる相手が無事でありますように」という願いが込められていますが、 「さようなら」には相手に対する思いやりの気持ちはどこにも見当たりません。
そんなことはないでしょう。日本語の「さようなら」は「左様なら」から来ている。 本当はもっと話したり一緒にいたりしたいのでけれど残念だ、という後ろ髪引かれる思いが裏にある。 この表現が「思いやりの気持ちが見当たらない」なんて、山田さんは気付かれないのだろうか。 事実、ある日本語のわかる外人は「さようならは世界で一番深い別れのことばだ」とまで言っていたような気がする。 そこまでいわずとも、それぞれの民族のことばだから、 別れのことばにはそれぞれの背景がつまっているはずだ。
書 名 | 日本語の発想・英語の発想 |
著 者 | 山田 雅重 |
発行日 | 年月日(初版第2刷) |
発行元 | 丸善 |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | ページ 新書版 |
ISBN | 4-621-05247-0 |
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