メーテルランク:ペレアスとメリザンド

作成日: 2019-01-13
最終更新日:

あらすじ

アルモンド国の王子、ゴローは狩りの最中森で迷ってしまった。そこには泉のわきで泣いているメリザンドがいた。 ゴローはメリザンドを連れて帰り妻とした。 ゴローには弟ペレアスがいた。ペレアスとメリザンドは互いに心ひかれていく。 この二人の互いの夢は。そしてゴローの立場は。 ベルギーの作家、メーテルランク(メーテルリンク)の有名な戯曲である。

感想

私は、ドビュッシーやフォーレの音楽を聴いてから、この戯曲を読んだ。少なくとも、フォーレの組曲を聴いてからのほうが、 雰囲気がよくわかると思う。

私は文学の読み手として劣っているので、わからない箇所が多々ある。 たとえば、第2幕第2場で、ゴローがメリザンドに「亡くした指輪を探せ」と命令し、 次の第3場でメリザンドがペレアスと一緒に探しに行くところがある。当然見つからないわけだが、それをゴローがとがめたかというと、 後の場ではそんなところは出てこない。たとえばそんなことが気になる。

また、第5幕第1場で、ペレアスを殺したゴローと、その場から逃げてきたメリザンドについて、 女中たちが城の中の地下室に集まって話している。老女中がいうには、メリザンドには、 ほんの小さな傷が,かわいい左乳の下にあった.鳩だって,あんな傷では死にはしないよ. と嘆いている。実際、その後にメリザンドは死んでしまうが、やはり老女中がいうには、 メリザンドは死の床で赤子を生んでいる。うーん、これは誰の子供なのだろう。

少し戻って、第4幕第4場では、ペレアスとメリザンドが互いに愛の告白をする場面がある。ペレアスが 好きだ……というとメリザンドが小声であたしも,好き……と答える場面がある。 ここのフランス語だったらわかる。Je t'aime...Je t'aime aussi...だ。

訳の巧拙についてはフランス語がわからないのでなんともいえない。ただ、「寝台」は訳語としては古いと思う。ベッドでいいのではないのかな。

書誌情報

書 名対訳 ペレアスとメリザンド
著 者モーリス・メーテルランク
訳 者杉本 秀太郎
発行日1988 年 10 月 17 日
発行元岩波書店(岩波文庫)
定 価500 円(本体)
サイズ??版
ISBN4-00-325831-2
その他古本屋で購入、現在は処分して手元になし。

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MARUYAMA Satosi