吉野 せい:洟をたらした神

作成日: 2016-09-25
最終更新日:

概要

表題作ほか、農業とともに夫と暮らし、こどもを育てた記録。

本を買ったきっかけ

わたしは普段このような本を読まない。買った理由は、高校の物理の T 先生が推薦した本だからだ。 物理の先生だから推薦するのは科学系の本だろうと思いきや、表題から想像するに科学の感じはしない。 大学を卒業し、社会人になって本屋をうろついているとこの背表紙を見つけ、買ったのだった。1980 年代終わりのころだと思う。

自身が洟たれ小僧だったころ

買ってすぐ表題作だけは読んでみた。そのときの記憶では、洟をたらしたある子どもが神のように思えた、というあら筋だったと思う。 久しぶりに読んでみた。神のように思えた、とはどこにも書かれていなかった。 ヨーヨーを買いたいので小遣いをくれ、と母に言ったが断わられた主人公が、自分でヨーヨーを作った、という話だった。 ヨーヨーのことが書かれていたなんて、すっかり忘れていた。

再読の結果、生半可な感想を記そうとしても拒絶されてしまう。一つだけひらめいたことがあった。 やはり物理の先生だから、ヨーヨーを感じてほしかったのだろうか。 そういえば、物理学者である戸田盛和の「おもちゃセミナー」という著作にもヨーヨーが書かれていたはずだ。

難読漢字

梨袋の補強に使う荏油(エゴマ油)

赭い畑

この「赭い」とはどういうことだろうか。「あかい」と読めばいいのだろうが、果たして赤いとどう違うのか。 そこから入らないといけなかった。この赭という字は土の赤さを、そして裸の山の赤さを表す字であると、漢和辞典には書いてあった。

書 名洟をたらした神
著 者吉野 せい
発行日1975 年 4 月 15 日(初版)1985 年 8 月 5 日(25版発行)
発行元彌生書房
定 価1,200円(本体)
サイズA5 判
ISBN
その他0095-75052-8525

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MARUYAMA Satosi