概要
「あとがき」から引用する。
本書で私があつかっている話題、論点は、すべて「なぜ?」という問いかけから発しているものばかりである。(後略)
感想
要再読である。
中野重治の「豪傑」
《第十六章 詩の「鑑賞」の重要性》で中野重治の「豪傑」という詩が取り上げられている。有名な詩、ということだが私はこの詩を初めて知った。 確かに、WEB で調べてみると、複数のサイトで全文が掲載されているのがわかった。 本書で何度か読んでみたが、それほど長い詩ではないのになかなか意味がとれない。たとえば、 次の行はどういう意味なのだろうか。
彼は銭をためる代りにためなかった
私の語感からすれば、ためなかった
目的語があるべきなのに、それが見つからない。何をためなかったのか。銭をためる
と対になっているのだからなおさらだ。
では、次の行はどうなっているか。
つらいという代りに敵を殺した
きっと、まえの行で何かをためなかった
からこそ、つらいという代り
ができたのだろう。ということは、
ためなかった
ものは、心にあった恨みつらみとかストレスとかなのだろう。敵を殺
せば恨みつらみやストレスはためずに済むものかどうかはわからないが、
とりあえずそう受け取っておこう。なお、WEB でみたこの詩のなかには、ためなかった
という表記の代わりに溜めなかった
という、
いかにもストレスが目的語であることを匂わせる表記もあった。
書誌情報
| 書名 | 日本語の世界 11 詩の日本語 |
| 著者 | 大岡信 |
| 発行日 | 昭和 55 年(1980 年) 11 月 20 日 |
| 発行元 | 中央公論社 |
| 定価 | 1800 円(本体) |
| ISBN | |
| その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |