概要
「はしがき」から引用する。
これは伝統ある「岩波新書」にはふさわしくない本である。むしろ、中学生や高校生向きのエッセイといってよい。
「日本について」、「お化けについて」、「看護婦について」、「躁鬱について」の四章からなる。
感想
罵倒のことば
「第1章 日本について」では、脱線して各言語の罵倒のことばが載っている。英語では次のものがあるという。カッコ内は私が調べた原綴だ。
- サン・オブ・ア・ビッチ(Son of a bitch!)
- ドロップデッド(Drop dead!)
- シット(Shit!)
- キス・マイ・アス(Kiss my ass!)
このうち、ドロップデッドは知らなかった。手元のマクミラン英英辞典を見てみると次のようになっている。
drop dead informal 1 to die suddenly and unexpectedly: He dropped dead of a heart attack at the age of 31. 2 used as angry reply to someone who has said something that you do not like.
これだけ見ると、字義どおりには「くたばれ!」ということなのだろう。ただ、現在は罵倒語としてこの語が使われているのだろうか。
次にロシア語の罵倒語が挙げられている。
- ピチダ(Пизда!)
- サバーク(собакu!)
- ヨッポイマーチ(ёб твою мать)
ロシア語は語形変化が大変なので、私が調べてここに挙げたロシア語の綴りが正しいか自信がない。 Пизда は女性器を意味し、この罵倒語は、多義性を有する。собак|а の原義はイヌである。 第3のことばは多少正確な発音では「ヨプ・トヴァユー・マーチ」となる。直訳をここで記すのは憚られる。意味としては「馬鹿野郎」に相当する。 なお、ヨッポイマーチについての調査では、AI の助けを借りた。
それからフランス語、ドイツ語の悪口も載っているが、引用はしないでおく。
それにしてもこの章を読むのはつらい。漢字が読めないからだ。もちろん、初出の漢字にはふりがなが振られているが、二度目以降にはふりがなが出てこない。 そこで、神様や地名、道具などの漢字の名称とよみがなをまとめてみた。
| 名称 | よみがな | 意味 | 初出ページ |
|---|---|---|---|
| 伊弉諾尊 | いざなぎのみこと | p.12 | |
| 伊弉冉尊 | いざなみのみこと | p.12 | |
| 大国主命 | おおくにのにしのみこと | p.13 | |
| 素戔嗚尊 | すさのおのみこと | p.13 | |
| 天忍穂耳尊 | あめのおしほみみのみこと | p.13 | |
| 瓊瓊杵尊 | ににぎのみこと | 天忍穂耳尊の御子 | p.13 |
書誌情報
| 書名 | マンボウ雑学記 |
| 著者 | 北杜夫 |
| 発行日 | 1981 年 9 月 25 日 第 1 刷 |
| 発行元 | 岩波書店(岩波新書) |
| 定価 | 380円(本体) |
| サイズ | 新書版 |
| ISBN |