宮内 泰介:自分で調べる技術 |
作成日: 2010-05-23 最終更新日: |
副題は「市民のための調査入門」。市民である自分たちが自分たちのことを決めていくというのは、 当たり前のことである。 その、当たり前のことを実現するために調査をしていこう、と著者は主張する。 本初では調査のしかたとして大きく資料・文献調査とフィールドワークに分けて、それぞれ述べる。 そして、調査と一体となる情報のまとめや、報告、調査の組織化についても触れる。
私は、調べることをしない。調べたとしても、 安直に本を借りたり買ったり、インターネットで検索したりですませる。 これではいけない。 それに、調べることは自分の仕事や趣味の領域であり、 だいたい市民としての調べものはしていない。 だから、この本で主張されている方法や事実について、 驚くことがある。 たとえば、自分で調べずに、 あやふやな情報のみに頼って誤認することに関する警鐘が 4 ページに書かれている。
「なんとなく聞いたことがある」ということをもとに議論したり行動したりすることは, ときに大きな間違いをもたらします. 今ではあまり聞かれなくなりましたが, 以前「熱帯林を守るために紙の使用を減らそう」 ということが言われたことがありました. もしかしたら,まだそう信じている人がいるかもしれません. しかし,少し調べれば,熱帯林からの木材輸入の多くはベニア板としての利用であり, 紙はごくわずかだということがわかります.
私は知識だけを覚えていて、裏付けのための調査だとかは行っていないから、 事実、この引用で≪まだそう信じている人≫だった私は、反省した。
最後は、市民の調査でいずれ必要となる組織化について書かれている。 著者はとにかくえらいと思う。(2010-05-22)
書 名 | 自分で調べる技術 |
著 者 | 宮内 泰介 |
発行日 | 2004年7月6日(初版) |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 740円(本体) |
サイズ | 判 |
ISBN | 4-00-700117-0 |
その他 | 越谷市立南部図書館で借りて読む。 |
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