江沢洋,中村孔一,山本義隆:演習詳解力学[第 2 版]

作成日:2022-11-02
最終更新日:

概要

「文庫版出版によせて」から引用する。

内容はいささか辛口のところもありますが,話題は豊富で,かつ解説は詳細であり, その意味では初版以来 40 年近く経った今にいたるも類書のない演習書であると自負しております.

感想

内容が豊富であることに加え、手ごわい問題の多いところから恐れられている本書だ。しかし、 大学に入って二度めの力学を本書でやり直すと思えば少しは抵抗が薄らぐのではないか。 なお、本書初版の「はじめに」では、問題を読むだけでも面白いだろうと思う.とあるので、私は問題を読むだけにしている。

まったくどうでもいいことだが、p.017 での速度の定義は、 $$ \boldsymbol{v}(\mathrm{t}) \equiv \frac{\mathrm{d} \boldsymbol{r}(\mathrm{t})}{\mathrm{dt}} $$ のように微分を表す d や時刻を表す t が立体(ローマン体)になっている。加速度の定義も同様である。d を立体で表すのは JIS 流だからわかるとして、 t も立体であらわすのはどうだろうか、と思って前後を見てみると、d も t も立体で出てきているのはこのページのこの定義式だけだった。

  1. 運動学
    1. 曲線の弧座標表示
    2. 常螺旋上の粒子の運動
    3. 極座標を用いた平面上質点の運動
    4. 楕円軌道上の粒子の運動
    5. 平面上を運動する質点
    6. ケプラーの 3 法則
    7. 3 次元極座標による各種物理量
    8. くさりにつながれた犬に引きずられる人の軌跡
    9. 発音体の軌道
    10. 正方形の隅にいる亀の軌跡
    11. 逃げる兎を追いかける狐
    12. 流れる川を渡る舟
    13. レヴィ・チヴィタの記号
    14. 無限小回転とベクトル
    15. 剛体の回転
    16. 直交系の角速度ベクトル
    17. 剛体のハーポールホード曲線とポールホード曲線
    18. 緯度と日没の方向の関係
  2. 質点の力学
  3. 非線形振動
  4. 動く座標系
  5. 質点系の力学
  6. 剛体の力学
  7. 重力の起こす運動
  8. 電磁場における運動

数式記述

このページの数式は TeX で記述し、MathJax で表現している。

書誌情報

書名演習詳解力学[第 2 版]
著者江沢洋,中村孔一,山本義隆
発行日2022 年 4 月 10 日 第 1 刷
発行元筑摩書房
定価1800 円(本体)
サイズ
ISBN978-4-480-51118-8
その他ちくま学芸文庫

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MARUYAMA Satosi