「まえがき」から引用する。
本書は、高専や大学の工学部で中心的に学ぶであろう応用数学についてまとめたものです。
本書は新装版が出ている。
私のように数学が苦手な者からすると、本書は専門の数学書に近い。たとえば、デルタ関数は超関数論の立場から定義されている。本書の P.302 以下の議論では、
デルタ関数 `delta` は次で定義される。
ここで `(:F, varphi:)` は、汎関数 `F` に関数 `varphi` を入力したときに出力される値である。そして、p.304 に超関数同士の積が定義されている。 具体的には、p.304 で超関数 `F` と `G` のテンソル積 `F ox G` に関する定義が説明されている。これはいいのだが、この前にテンソルということばが出ていない。 もう少し前に(たとえばベクトル解析のところで)テンソルについて説明があればよかったと思う。
第3章は常微分方程式について解説されている。p.157 では、ジョルダン標準形という用語がちらりと出ているが、以降は説明されていない。 もし説明するのならば、第1章の行列で扱うべきだったろうが、第1章でも扱いはない。これはこれで一つの見識だろう。
p.4 (目次の前のページ)上から一行目、進めていけば以外にその量は少ないものです。
とあるが、
正しくは《進めていけば意外にその量は少ないものです。》だろう。
数式はASCIIMathML で作っている。
書名 | これならわかる 工学部で学ぶ数学 |
著者 | 千葉逸人 |
発行日 | 2003 年 7 月 25 日 第1刷 発行 |
発行元 | プレアデス出版 |
発売元 | 現代数学社 |
定価 | 2500 円(本体) |
サイズ | A5版 ページ |
ISBN | 4-7687-0861-7 |
その他 | 草加市立図書館にて借りて読む |
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