大串 夏身(編):図書館の最前線 5 図書館の活動と経営 |
作成日: 2010-05-23 最終更新日: |
経営全般の観点からサービスの現状、図書館のあり方、今後の可能性について論じる。
この本の第1章は、鳥取県立図書館の事例である。著者は、改革を実施した当時の図書館長である。 ここで、「図書館でビジネス支援事業を行う」ことを実施したときのことが述べられている。 著者は図書館の利用者拡大の立場と図書館職員のやりがいの面からこの事業を宣伝しているが、 もちろん、私からすれば経営者の利便性の立場も大きいと思う。 ついでにいえば、講師となる人や組織もありがたいものである。 なぜなら、ただで場所が使えて、本の宣伝もできるのだから。
実は私は、図書館がビジネス支援を行うと聞いても何の違和感ももたなかった。 というのは、1984年ごろ都内に住んでいたときに、 文京区立の小石川図書館が催す映画鑑賞会を見てきたからだった。無料だった。 映画の中身は忘れたが、さすが都は(あるいは文京区は)文化活動に手厚い、と感心したことだけは覚えている。 だから図書館が何をやろうとありではないか、と思っていた。
最近、中小企業診断協会 (www.j-smeca.jp)の下部組織で、ある区の図書館で無料経営相談を行っている、 という話を聞いた。ちょうど偶然この本に事例があったので、 鳥取は東京より進んでいたのだ、と悔しい思いをした。
それから、この本にちりばめられた、 経営方式である直営、PFI、指定管理者制度なども考えさせられるものである。 (2010-05-23)
図書館の運営・経営で一番注目されているのは、佐賀県武雄市の武雄市図書館ではないだろうか。 ご存じの方が多いと思うが、武雄市の図書館はカルチュア・コンビニエンス・クラブにより運営されている。
書 名 | 図書館の最前線 5 図書館の活動と経営 |
著 者 | 大串 夏身(編) |
発行日 | 2008年9月3日(初版) |
発行元 | 青弓社 |
定 価 | 2000円(本体) |
サイズ | 判 |
ISBN | 978-4-7872-0040-2 |
その他 | 越谷市立南部図書館で借りて読む。 |
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