S. A. サフラン:コロイドの物理学

作成日 : 2024-06-05
最終更新日 :

概要

副題は「表面・界面・膜面の熱統計力学」。原題は、“Statistical Thermodynamics of Surfaces, Interfaces, and Membranes” であり、 これは、邦訳の副題でもある。訳者の判断で邦題は「コロイドの物理学」としている。

章末には問題がある。解答はない。

読後感

私は頭が弱いので、まったくわからなかった。

第1章は「混合物と界面」である。本書ではオングストローム(Å)が頻出するが、これは非 SI 単位ではないだろうか。

第1章のおわりには問題がある。一つは問題を解こう。p.63 の 7. 回転面という問題である。

曲面の位置を

`vec(r) = g(u)cos v hat(x) + g(u) sin v hat(y) + f(u) hat(z)`
と定義する.接線ベクトル,法線ベクトル,面積要素を求めなさい.もしも `g(u) = u` および `f(u) = u cot alpha` であれば, これは角度 `alpha` の円錐であることを示しなさい.

接戦ベクトルは二つある。本書 p.38 で、曲面上では「二つ」の接線ベクトルとして,`vec(r)_u = del vec(r) // del u` と `vec(r)_v = del vec(r) // del v` が定義できる.とあるので、これらを求めればいい。計算した結果接線ベクトルは、`vec(r)_u =(g'(u)cos v , g'(u) sin v , f'(u) )` と `vec(r)_v = (-g(u)sin v, g(u) cos v ,0)` であることがわかる。法線ベクトルは `vec(r)_u times vec(r)_v` である。p.38 では、法線ベクトル `hat(n)` は (1.85) 式では正規化されているが、わざわざ正規化をする必要はないだろう。

`g(u) = u` および `f(u) = u cot alpha` を代入して、 `vec(r)_u =(cos v , sin v , 0)` と `vec(r)_v = (-sin v, cos v ,0)` である。

第4章は「界面のぬれ」である。これで思い出すのは、私がある会社に入ったときのことである。私が配属された課には同期が一人いて、 界面のぬれ性を研究していた。ある種の板にある種の液体を浸して板を引き上げると当然板は濡れているのだが、その濡れ方を調べていた。 こんなことをして何の役に立つのかと思うだろうが、もう何十年の前のことで私も覚えていない。ただ一つ覚えていたのは、 その同期が上司に「おまえなんか、給料泥棒だ!」と平気で罵られていたことである。同期はおとなしかったから、何も言っていなかった。 この上司は、おそらく会社に入って同じような悪罵を投げつけられて育ったのだろう、と私は悲しくなった。

書誌情報

書名 コロイドの物理学
著者 S. A. サフラン
発行日 2001 年 2 月 20 日(第1刷)
発行元 吉岡書店
定価 5600円(税別)
サイズ
ISBN 4-8427-0294-X
その他 越谷市立図書館で借りて読む

まりんきょ学問所読んだ本の記録S. A. サフラン:コロイドの物理学


MARUYAMA Satosi