土屋 賢二:人間は笑う葦である |
作成日: 2018-02-03 最終更新日: |
前書きより引用する。本書に収めたエッセイのテーマは、哲学、政治、芸能、ユーモアなど、さまざまであるが、
これらを論じる姿勢は一貫しており、
鋭い観察と緻密な論理の二つにとらわれない自由な精神を保つように心がけた。
まえがきによれば本書は、これまでにいろいろな雑誌に発表したエッセイをまとめたものである。
初出一覧がないのが残念であるが、ここに収められたエッセイのうち、
<ナンセンスの疑い―――「わたしってだれ?」って何?>だけは雑誌の初出を知っている。10冊を出しただけで終了となった、
筑摩書房の雑誌「頓智」である。
私はこの雑誌の記事を見て驚いた。こんなユーモアにあふれたエッセイを書ける人がいるのかということに驚いたのだ。 たとえば、哲学の主張は容赦なく批判されること、学生には疑うことの大切さを力説していることなどを述べたのち、 最後をこんな一節で結んでいる。これには本当に唸ってしまう。
以上でわたしの書くことが哲学者の代表でないこと、あてにならないことが納得していただけただろうか。 納得していただけないなら、これにまさる喜びはない(自分の主張が説得力をもたないことが喜ばしいこともあるとは知らなかった)。
書 名 | 人間は笑う葦である |
著 者 | 土屋 賢二 |
発売日 | 2001 年 2 月 10 日第1刷 |
発売元 | 文藝春秋 |
定 価 | 448 円(税別) |
サイズ | p ; 15cm |
ISBN | 4-16-758803-X |
その他 | 文春文庫 つ-11-3 |
NDC | 104.9 : 論文集.評論集.講演集 |
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