概要
次の短編を収める。
- 掟の門
- 判決-フェリーツェ・Bのための物語
- 田舎医者
- 雑種
- 流刑地にて
- 父の気がかり
- 狩人グラフス
- 火夫
- 夢
- バケツの騎士
- 夜に
- 中年のひとり者ブルームフェルト
- こま
- 橋
- 町の紋章
- 禿鷹
- 人魚の沈黙
- プロメテウス
- 喩えについて
- 万里の長城
感想
わからない
短篇といっても、1ページのものから数十ページのものまで多彩である。 しかし共通していえるのは、わからないということだ。全くわからないものもあれば、だいたいはわかるがわからないところが残るものもある。
「禿鷹」は、禿鷹に突かれる男の物語である。短いし、だいたいはわかる。最後の文で男の気持ちが明かされ、意外とは思うが、 少し考えてそういう気持ちにもなるだろうなとも思う。
わからないものは「掟の門」や「判決」だ。これらは、なぜ最後の文が提示されたか、こじつけでも考えを示すことができない。
「流刑地にて」は機械が出てくる。その構成物の説明に、まぐわ、という器物が出てくる。
鍬の一種だと思うが、よくわからない。広辞苑第四版にはこうある。
わが国在来の農具の一。牛馬にひかせて土を砕いたりならしたりするのに用いる。長さ約一メートルの横木に約二〇センチメートルの鉄製の歯十本内外を植え、
これに鳥居形の柄をつけたもの。
私はこのまぐわがわからないまま、オルゴールにある突起のついた回転する円筒を想像していた。
まぐわだから回転しないので、わたしの想像は当たらなかったことになるが、この機械仕掛けがばかばかしくておかしい。
私がこの作品集の中で一番感情移入できる作品だ。
書誌情報
| 書名 | カフカ短篇集 |
| 著者 | フランツ・カフカ |
| 編訳者 | 池内紀 |
| 発行日 | 1989 年 8 月 5 日 第 10 刷 |
| 発行元 | 岩波書店 |
| 定価 | 447 円(本体) |
| サイズ | 276 ページ |
| ISBN | 4-00-324383-8 |