日本各地の美しい手仕事を紹介しながら、その大切さを訴えた民芸案内書。
著者はまず、工芸の種類ごとに取り上げてその有名な産地を紹介している。 例えば、織物でいえば、八王子、青梅、村山、秩父、伊勢崎、桐生、足利、佐野、結城を紹介している。
そのあとで、著者は地域別に手仕事を紹介している。私が住んでいるのは埼玉県越谷市であるから、
越谷やその近隣の地域で紹介されているのは何かを調べてみた。
すると p.46 で、東京近くの県で比較的様々な郷土品を有つ(もつ)のは埼玉県であります。
と述べられている。うれしいではないか。まず、先の秩父の織物に触れた後、
鋳物の川口を紹介している。そして、川越と粕壁(春日部)を箪笥作りの町として紹介している。
他に、騎西や加須の鯉幟、岩槻と鴻巣の雛人形について触れた後、越ヶ谷の達磨を言い添えている。
そして、小川町の手漉紙について延べたあと、最後に埼玉県全般の特色として小絵馬で今も見るべきものを描きます
と結んでいる。
さて、私の家には、これらで述べたようなものは一つもない。越谷に住んでいるくせに、達磨の一つもないのだ。 足利や桐生に行ったことはあり、織物で有名ということも聞いていたのでせめてネクタイの一本でも買おうと思ったのだが、 思いのほか高くて買わなかったのだ。
つれあいは広島県出身である。広島の項を見てみたが、備後のほうは絣を持ち上げているのに関し、
安芸のほうは作るより使う側に立つためか、この都で出来る特色あるものは、少いように見受けます。
とそっけない。それでも、可部地方の「山繭織」が特色ある手仕事として取り上げられている。
今はどうなのだろうか。WEB で調べたら、
可部山まゆ同好会 (kabeyamamayu.webu.jp)
というサイトがあった。
書 名 | 手仕事の日本 |
著 者 | 柳 宗悦 |
発行日 | 1985 年 5 月 16 日 第1刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 500円(本体) |
サイズ | |
その他 | 岩波文庫 |
ISBN | なし |
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