「はじめに」から引用する。
(前略)工業数学という分野では、日常生活とのかかわりの中で数学を扱う場面が多くなります。数学に興味関心を見出せず苦手意識を持った方には絶好の教材が広がっているといえるのです。
本書では、身近な数学をわかりやすく説明していきます。工業に関係するさまざまなテーマを取り上げ、興味を持って楽しく読むことができるようになっています。(後略)
第8章は「フーリエ変換」である。p.158 には、フーリエ変換は、通信工学、電気工学、電子工学、情報工学、機械工学、材料工学、土木工学、建築工学など、幅広く工学に利用され、
最近では、医学でも利用されています。
と述べられている。また、次のページでは似たような記述である。
量子力学・情報通信・電子工学・制御工学・物理学・化学・光学・建築・材料工学・経営工学などの分野でその威力を発揮しており、これらはフーリエ解析を知らなければ理解することはできませんよ。
ともある。どのように利用されているのか、各分野の例を少しでも紹介してもらえるとよかったかなと思う。特に気になるのは経営工学の分野とフーリエ解析の関係だ。
経営工学で季節変動のような周期的な変動を加味した時系列予測をするためにフーリエ解析を適用する、ということなのだろうか。また医学の分野のフーリエ解析とはどういうものなのだろうか。
CT や MRI のような画像再構成に関わることだろうか。あるいは心臓の鼓動や脳波、筋電図などの波形の解析ということなのだろうか。
p.136 の上から 13 行目、答えがでてしましますが
とあるが、正しくは《答えが出てしまいますが》だろう。
書名 | 工業数学がわかる |
著者 | 井上満 |
発行日 | 2010 年 3 月 25 日 初版 第 1 刷発行 |
発行元 | 技術評論社 |
定価 | 1780 円(本体) |
サイズ | A5版 ページ |
ISBN | 978-4-7741-4186-2 |
その他 | 川口市立図書館にて借りて読む |
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