カバー扉より引用する。
日本の法人税は本当に高いのか?公開されている企業情報、直接取材によって明らかになったのは、
驚くべき税負担の軽さ。巨大企業が正しく納税すれば、法人税減税も、消費増税も必要ない!
昔、将棋プロの森下卓九段に関するこんなエピソードを聞いたことがある。氏のお宅に
「これから節税方法をご紹介したいのですが」という(悪徳かもしれない勧誘)電話がかかってきた。氏はこう答えた。
「私は日本を良くしてもらいたいので喜んで税金を払っています。減らそうなどと考えたこともありません。お引き取りください。」
それを考えると、この本で名指しされた企業は、日本を良くしようという気持ちなど、さらさらないことがわかる。 それだけでも怒りが生じるのに、やれ法人税減税など、やれなんとか特区だのと、自分たちの負担をさらに減らそうと、 というより自分たちの儲けをさらに増やそうとしているなんて、怒りを通り越してあきらめが先に立つ。
ネガティブだけれど、ここに書かれている企業とは取引をしない(買わない、サービスを受けない)ということだろうか。 ただ、銀行だけはどうしてもサービスを受けざるを得ない。困ったことだ。
この本の大半は、岩槻駅から越谷駅に向かう路線バスで読んだ。なぜそんなことを覚えているかというと、 岩槻駅に用事があったからだ。岩槻駅近くの会館で同僚(年は私より少し上)の葬儀に出席したのだった。 会館には知った顔も多くいた。行きは東武野田線を使った。帰りもそうするつもりだったが、 葬儀を引きずって知った顔と帰るのもつらい。ふと考えて、岩槻駅と越谷駅の間には路線バスが出ているではないか。 それに路線の途中にある高校近くのバス停があり、故人はこの高校出身だったはずだ。 とすると、この路線バスで通学していたのではないかということを推測し、それなら追悼を込めてバスに乗るのがいいのではないか、 というのが理由だった。
なぜこの本だったかというと、行きに使った東武鉄道の駅にあった書店を見て、面白そうな本を物色した結果、というだけである。
書 名 | 税金を払わない巨大企業 |
著 者 | 富岡 幸雄 |
発売日 | 2014 年 12 月 20 日(第6版) |
発売元 | 文藝春秋 |
定 価 | 700 円(本体) |
サイズ | |
ISBN | 978-4-16-660988-8 |
その他 | 文春新書 |
NDC |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 富岡 幸雄:税金を払わない巨大企業