東京大学教養学部は駒場という場所にある。
駒場学派というのは、そこを拠点とした、比較文学比較文化という研究室と、東大比較文学会という集まりのことをさす。
著者は、この学派の歴史を描こうというのである。
(引用は「前奏曲」と題された序文から」
それにしても、いろいろな人が登場し、いろいろな人が面白くおかしなことをするものだ。
著者は、駒場学派の歴史を書くことを某さんに話したら、「ゴシップでしょお~」と言われた
と書いている。
この文からだけでは、この本そのものがゴシップの集まりだとは断定できないが、結果としてはやはりゴシップとして読める。
著者は、この専攻を担当した人々は、四天王または御三家と呼ばれて、
と言っている。
御三家というのは、芳賀徹、平川祐弘、小堀桂一郎の三人で、(中略)これに亀井俊介を合わせた「四天王」が、この学派の中心だった。
という解説がある。
私には、駒場学派のゴシップで彩られた第一幕や第二幕、第三幕より、著者が間奏曲と題して入れた「英文科のおちこぼれ、比較に行く」 という章とあとがきが面白かった。
書名 | 東大駒場学派物語 |
著者 | 小谷野 敦 |
発行日 | 2009 年 4 月 10 日 |
発行所 | 新書館 |
定価 | 1800円(本体) |
サイズ | A5 版 |
ISBN | 978-4-403-23113-1 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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