稲垣美晴:フィンランド語は猫の言葉

作成日 : 2025-03-14
最終更新日 :

概要

「あとがき」から引用する。今、フィンランド語を勉強している人達はもちろんのこと、語学の好きな方、そして、 フィンランドに興味を持つ多くの方々が、『フィンランド語は猫の言葉』の復刊を望んでいらっしゃることを知りました。

感想

本書は、黒田龍之介の著書で紹介されていた覚えがあったので読んでみた。おもしろい。

印象に残った箇所を引用する。p.167 から。

ひとからもらった手紙はどれも大切にしているが、なかでも宝物のように思っているのが一つある。 それは何年か前に初めてもらった姪からの手紙だ。その頃私は、両親と兄の家族と一緒に住んでいたから、姪たちのことは妹のように思っていた。 家には剽軽でしっかり者の由香ちゃんと、小さいのによく言うことを聞くおりこうさんの里菜ちゃんと、病気がちでお医者さんに通うことの多い赤ちゃんの豪君がいた。 その頃由香はまだ幼稚園。私は、由香が字を覚えたことを知らなかった。由香から来た問題のその手紙には、
「ゆかげんきりないいこごうかぜ」
と書いてあった。こんなに簡潔ですべてを言いつくしている手紙を、私は今までに受け取ったことがあっただろうか。 この一行で家の様子が手にとるようによくわかった。

書誌情報

書名 フィンランド語は猫の言葉
著者 稲垣美晴
発行日 2009 年 11 月 7 日 第2刷
発行所 猫の言葉社
定価 1600 円(本体)
ISBN 978-4-904196-00-7
備考 川口市立図書館で借りて読む

まりんきょ学問所読んだ本の記録稲垣美晴:フィンランド語は猫の言葉


MARUYAMA Satosi