「あとがき」から引用する。今、フィンランド語を勉強している人達はもちろんのこと、語学の好きな方、そして、
フィンランドに興味を持つ多くの方々が、『フィンランド語は猫の言葉』の復刊を望んでいらっしゃることを知りました。
本書は、黒田龍之介の著書で紹介されていた覚えがあったので読んでみた。おもしろい。
印象に残った箇所を引用する。p.167 から。
ひとからもらった手紙はどれも大切にしているが、なかでも宝物のように思っているのが一つある。 それは何年か前に初めてもらった姪からの手紙だ。その頃私は、両親と兄の家族と一緒に住んでいたから、姪たちのことは妹のように思っていた。 家には剽軽でしっかり者の由香ちゃんと、小さいのによく言うことを聞くおりこうさんの里菜ちゃんと、病気がちでお医者さんに通うことの多い赤ちゃんの豪君がいた。 その頃由香はまだ幼稚園。私は、由香が字を覚えたことを知らなかった。由香から来た問題のその手紙には、
「ゆかげんきりないいこごうかぜ」
と書いてあった。こんなに簡潔ですべてを言いつくしている手紙を、私は今までに受け取ったことがあっただろうか。 この一行で家の様子が手にとるようによくわかった。
書名 | フィンランド語は猫の言葉 |
著者 | 稲垣美晴 |
発行日 | 2009 年 11 月 7 日 第2刷 |
発行所 | 猫の言葉社 |
定価 | 1600 円(本体) |
ISBN | 978-4-904196-00-7 |
備考 | 川口市立図書館で借りて読む |
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