荒川 洋平:日本語という外国語 |
作成日: 2010-03-21 最終更新日: |
外国人に日本語を教えた体験から、日本語の特質を探る。
日本語は難しいというが、それはどの言語でも同じだろう。 日本語はどう難しいかを解説した好著である。 話し言葉としての日本語は易しいというのは私には意外だった。 そのぶん、書き言葉としての日本語が大変だろうというのはうすうす感じていたことではあった。
オーストラリアで日本語を学ぶ学生が、和英辞典よりまず先に英和辞典を買うというのも面白い事実だった。 彼らは、自分たちの情報を発信したいという気持ちがあるからだ、という。 これは、日本人に、特に私に反省を迫るものだけれど、一方で受信型でいいではないかという開き直りもある。
文法では、時制、相、態、法などの概念がある。英語ではそれぞれテンス、アスペクト、ボイス、ムードとなる。 これらの概念を日本語でどのように位置づけるか、詳細な説明がなされており、参考になる。
語彙の練習として「集まる」と「集う」の区別を示していたが、 この説明は日本人にとっても難しい。 「集まる」は単に団体行動をするために必要な集合だが、「集う」は何か目的をもつために必要な集合、というのが私の認識だ。 そして特に「集う」は「◎◎会創立三十周年の集い」 のように名詞形として使う用法に限られるのではないか、 というのが私の観察の結果である。 そして、「集う」の代わりに「集まる」を使っても問題はないと思われる。
書 名 | 日本語という外国語 |
著 者 | 荒川 洋平 |
発行日 | 2009年8月20日(初版) |
発行元 | 講談社現代新書 |
定 価 | 740円(本体) |
サイズ | 新書判 |
ISBN | 978-4-06-288013-8 |
その他 | 越谷市立南越谷図書館で借りて読む。 |
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