スティーヴン・D.レヴィット, スティーヴン・J.ダブナー:ヤバい経済学 |
作成日: 2021-02-01 最終更新日: |
副題は「悪ガキ教授が世の裏側を探検する」
データから事実をつかむことの重要性を認識させてくれる本。 アメリカの学校の先生のインチキ、 大相撲の力士のインチキ、 割れ窓理論のインチキなどが暴かれている。
なお、一言述べておく。 千秋楽を7勝7敗で迎えた力士が、 8勝6敗の力士や9勝5敗の力士と対戦したとき、 勝率が異常に高くなっている。 これをレヴィットが指摘して、 八百長が行われている公算が高いとしている。
実はこの指摘は前にも聞いたことがある。 1990年ころ、ある国公立機関の統計セミナーに出かけた私は、 講師の某機関の教授からこの事実を聞いた。 この講師が付け加えたことには、 相撲協会は八百長の批判を受けないように三賞 (技能賞、敢闘賞、殊勲賞)の制度を設けている、 ということだった。どういうことかというと、 7勝7敗の力士Aと8勝6敗の力士Bが対戦したとき、 何も仕組がないと、 普通は力士Aが勝ち越せるよう、八百長が行われがちである。 ここで、三賞の条件として 9勝6敗 を要求すれば、 A は勝ち越しという条件が、B は三賞という条件が要求されるので、 勝負への意気込みが同等になる、と講師は説明した。 それでもやはり、7勝7敗の力士が千秋楽で勝ち越す確率は高いのだそうだ。
ここで意気込みと私が述べたことばは、 同書ではインセンティブと記されていることをお断りしておく。 最近、インセンティブということばは、一般的なのだろう。 (2007-05-13)
書 名 | ヤバい経済学 |
著 者 | スティーヴン・D.レヴィット, スティーヴン・J.ダブナー |
発行日 | 2006 年 9 月 19 日 第8刷 |
発売元 | 東洋経済新報社 |
定 価 | 1800円(本体) |
ISBN | 4-492-31365-6 |
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