表題は「このごろのきょうしざせつのてんまつ」とふりがながふってある。
この本を買ったのは社会人2年目のあたりだったと思う。、会社を辞めたくてしかたがなく、かといって他に選べる職業があるのかわからなかった。 どんな職業がいいのだろうか。教師になれるのならそれもいいけれど、人間が好きではないから教師も向かないし、どうしよう、と悩んでばかりの日々だった。 たまたま書店に行き書棚の背表紙を見ていたら、題名が「教師を辞めた」というようにとれる本があった。それがこの本だった。 買って読んでみた。
驚いたのは、著者が勤めていた学校には校歌がなく、校章もなかった、ということが書かれていたことだった。 そんな学校があるのか!私は驚いた。そして、本にはさんであったハガキにそのようなことを書いて出版元に送った。 切手を貼ったのか、それとも受取人負担だったのかはわからない。私はめったにハガキに感想を書いて送ることはなかったのだ。
すると、一ヶ月ほどして著者の武田氏からハガキが来た。こんなことは後にも先にも初めてである。そのハガキには、 「この本は貴兄のような一般の会社勤めの人にこそ読んでもらいたいと思いました」という意味のことが書かれていた。 ありがたく思い、ずっとこの本を手元に置いておいた。教師の生きがいとむなしさ、ひいては職にあることの生きがいとむなしさを感じたいときに、 ときおり紐解いていたのだった。ただ、今は手元にない。
書 名 | 当世教師廃業事情 |
著 者 | 武田 秀夫 |
発行日 | |
発行元 | 現代書館 |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | ページ |
ISBN |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 武田 秀夫:当世教師廃業事情