主な内容は次のとおりである。
章末には問題があり、巻末には上巻の問題を含めた問題解答がある。
本書の pp.235-236 では、熱力学の基礎事項について説明されている。まず、常温常圧付近の気体の温度 `T`,圧力 `p` および密度 `rho` の間のボイル・シャルルの法則は、 気体定数を `R` として次の式で示されている。
`p // rho = RT` (16.4)
また、単位質量あたりの内部エネルギー `e` およびエンタルピー `h` を定積比熱`c_v` 、定圧比熱 `c_p` および温度 `T` で表す式は次のようになる。
`e = c_vT, h = c_pT` (16.9)
pp.236-237 では次の記載がある。
代表的な気体の常温における `c_p//R` の値を表 16.1 に示す. 気体温度が液化点近くまで下がったり,気体分子内部の振動励起や分子間の化学反応が顕著になるほど高くなると,(16.4) や (16.9) が成り立たなくなり,`c_p` の値は温度に依存し表 16.1 の値と変わってくる. このような完全気体とは異なる熱的性質を示す期待を実在気体(real gas)と呼び,期待が実在気体であるがゆえに生ずる特徴的な現象を実在気体効果(real gas effect)という. 本書では気体をすべて完全気体として扱う.
こういうことであるから、実在気体効果には具体的にどのようなものがあるのか、わからなかった。
第 5 章の問題 (p.379)を引用する。
問題 5-7(1) 水撃(water hummer)について述べよ.
(2) `d` = 20cm, `t` = 0.5cm の鋼管に常温の水が 5m/s で流れている.管路を急閉したときに生ずる圧力の最大値を求め,管壁の剛性を考慮したときと,これを無限大とした場合とを比較せよ.
(1) に解答したい。そこで、本書の p.328 にある記述を抜き書きする。
問題 5-7上の数値例からみて,`q` の値がさほど大きくなくても,バルブの急閉によって生じる `abs(Deltap)` の値が著しく大きいので,管路を振動させて疲労破壊の原因になったり, キャビテーションによって高い騒音を発生したりする.この現象を水撃(water hummer)という.
これでは何のことだかわからない。まず、上の数値例
とは何かがわからない。
そして、`q` や `abs(Deltap)` とは何か、キャビテーションとは何か、などなど、いろいろと説明すべき点が多い。
本書の本文にある記述をまとめようとしたがこれまたわからない。
Wikipedia の「水撃作用」の記述を見て、なるほどと思ったが、本書の知識で Wikipedia のようにまとめることは私には無理だ。あきらめた。
「水撃」を見て、昔の同僚のことを思い出した。この同僚は、大学の学部でウォーターハンマーを研究して、 大学院で応用数学を研究していた。
このページの数式は MathJax で記述している。
書名 | 流体力学(下) |
著者 | 中口博・本間弘樹 |
発行日 | 昭和 62 年 (1987) 年 4 月 10 日 初版第 1 刷 |
発行元 | 地人書館 |
定価 | 2400 円(本体) |
サイズ | A5 版 192 ページ |
ISBN | |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 中口博・本間弘樹 : 流体力学(下)