小出 昭一郎:力学と微積分

作成日:2021-09-14
最終更新日:

概要

「まえがき」から引用する:

的確にあらわされた数式は, 通常の言語よりはるかに雄弁なのである. それを解読できるかどうかは,一つの外国語の習得以上に重要なことではなかろうか.

わたしはこの意見に強く同意する。もっとも、外国語の習得が苦手だから、ということもある。

感想

p.85 に、表 4.1 慣性モーメントの例 がある。ここでは引用を控える。 私が高校生のころ、物理Ⅱには剛体の力学があり、教科書には慣性モーメントの例が並べてあった。 ただし、ごく簡単な物体を除き、慣性モーメントの導出方法はなかった。これを不思議に思っていたが、 大学生になって、その理由がわかった。 一般的に慣性モーメントを求めるには高校での積分法では手に負えないものが多いからだったのだ。

その後ほどなくして、高校の物理からは剛体のつり合いを除き、 剛体の力学が消えた。私が思うに、剛体の物理は難しいので、 消えて当然だという思いがある反面、工学への応用を考えると復活してほしい、 という二律背反の思いがある。

誤植

p.11 の一番上の行が

`lim_(delta t -> 0) (Delta x)/(Delta t) = A omega sin omega t`
となっているが、正しくは
`lim_(delta t -> 0) (Delta x)/(Delta t) = A omega cos omega t`
である。p.10 の[例1]では、x 軸上の単振動が、
`x = A sin omega t`
で与えられているからである。

p.76 の極座標の式が、

`x = r sin theta cos phi, quad y ≒ r sin theta sin phi, quad z = r cos theta`
となっているが、正しくは
`x = r sin theta cos phi, quad y = r sin theta sin phi, quad z = r cos theta`
である。`y` 座標だけ近似値である理由がないからだ。

物理数学 One Point

数式記述

このページの数式は MathJax で記述している。

書誌情報

書名力学と微積分

著者小出 昭一郎
発行日1993 年 12 月 15 日初版1刷
発行元共立出版
定価1380 円(本体)
サイズB6 版 113 ページ
ISBN4-320-03307-8
その他物理数学 One Point 7、 越谷市立図書館にて借りて読む

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