「序」から引用する。以下の引用はすべて、原文を新字体・新かなづかいに改めた。
此書を私が書いた時の心持は,これを書斎の中で浄い机の上で読んで貰うので無くして実験室で汚ない手で持ちながら使って戴きたいと念じたのである.(後略)
私は本書を、実験室ではない、自分の部屋の汚い机で読んでいるから、著者の意向に半分ぐらいは沿っているだろう。
私は旧字体が読めない。第八章は「第八章 壓力と表面張力」であるが、「壓力」が読めなかった。新字体なら「圧力」である。 私が読んだのが 1974 年の発行のものだが、まだ旧かな旧字体の本が出ていたことに驚いた。
§75. 長さの弾性率を読んでいると、こんな記述に出会った。p.104 から引用する。
延長収縮に対する弾性率もだいたい線膨張と観念上は大差ない.横断面積 `S` の棒状の物体に力 `F` を作用させてこれを引延さんとしたとき, 長さ `l` のものが `l + Deltal` となったならば,長さの弾性率即ちヤングの弾性率 `E` は
`F/S = E (Deltal)/l`であるから,`E` の測定の中心は `Deltal` の測定にある.
そのあと、棒のたわみを利用してヤング率 `E` を求める方法が書かれている。そういえば、私が大学2年生のときに、本書にあるのと同じような実験でヤング率を求めたような気がする。
すぐあとの§76. 捩りの弾性率又は剛性率では、針金の捻りの弾性による回転振動の周期を測定して剛性率を計算する式が出ている。大学3年生のときに、このような実験をしたおぼえがあるが、 詳細はすっかり忘れてしまった。
書名 | 物理実験法 |
著者 | 中村清二 |
発行日 | 1974 年 4 月 30 日 第 13 刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定価 | 700 円 |
ISBN | なし |
その他 | 岩波全書、草加市立図書館で借りて読む |
まりんきょ学問所 > 読んだ本の記録 > 中村清二:物理実験法