早坂 清志:Excel の極意 3 データベース |
作成日: 2015-10-10 最終更新日: |
データベースをテーマとして、データベースの構築からデータの変換・抽出・集計・分析など、活用のテクニックを紹介している。
データベースといっても、いわゆる関係データベースを扱うものではない。 Excel のテーブル形式とピボットテーブルを中心として、データを扱う方法を示している。 以下は、このテーブル化が前提となっている。
第1章はデータベースの入力と構築である。
pp. 040-041 でセルに入力されているデータをパソコン音声で読み上げさせることができると書かれている。
同書では、Windows Vista や 7 環境下での Excel 2010/2007 では、標準では日本語合成エンジンが組み込まれていないので、日本語を読み上げることができない。
と書かれている。この記述は暗黙の裡に、Windows XP では日本語合成エンジンが組み込まれていたので日本語読み上げが可能だった、というをいっているようだ。
さて、同書は記述時期から、Windows 8 や Windows 10 のことには言及されていない。 Windows 8 は調べていないが、Windows 10 では再びパソコン音声での読み上げが可能となっている(私の Windows 10 と Excel 2013, NEC LaVie の組み合わせによる)。 p.041 に書かれている方法は Windows 10 や Excel 2013 でもほぼ同じである。ただし、日本語音声合成エンジンとして選べるのは、 Microsoft Haruka Desktop - Japanese のみである。
音声合成のデータベースと、漢字や読み仮名の関係はどのように登録されているかはわからない。というのは p.040 の会員住所録のデータで「港南区上大岡」は「みなとみなみく うえおおおか」と誤って読んでしまう。正しくは「こうなんく かみおおおか」である。 同様に、「越谷市平方」は「こしがやし へいほう」であるが、これは誤りで正しくは「こしがやし ひらかた」である。 昔の「運転免許証方式フリガナよみ」かもしれない。これは、Excel のセルにフリガナを振ってもかわらない。
データに半角文字と全角文字が混在していたり、前後にスペースが入ったりして同じものが異なるものとされてしまうケースが多い。 このようなデータの不整合をなくすための方法が述べられている。
この本には書いていないが、データの表記の揺れの中で長音の有無など、たとえばフィルタとフィルターの区別をする際には、 一度 Word にコピーするとよい。Word では表記の揺れを検知してくれるし、場合によってはどちらかに統一するための簡単なインターフェースも提供してくれる。
私がいつも理解できない集計アイテムと集計フィールドの違いは、p.202 で次のように説明されていた。 集計フィールドは、新たに値フィールドに追加したい項目と考えるとよい。たとえば、消費税込みの金額で入力されているフィールドから税抜き金額を求めたり、 金額と数量から金額÷数量で平均単価を求めたりするようなときに使える。 一方集計アイテムは、行ラベルフィールドか列ラベルフィールドに追加するものである。 この説明はわかりやすかった。
書 名 | Excel の極意 3 データベース |
著 者 | 早坂 清志 |
発行日 | 2013 年 7 月 15 日(初版第2刷) |
発行元 | マイナビ |
定 価 | 2,200円(本体) |
サイズ | ページ |
ISBN | 978-4-8399-3772-0 |
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