山川 修一:エスペラント翻訳のコツ

作成日: 2008-01-05
最終更新日:

概要

エス文和訳、和文エス訳の例を出して、 正しい翻訳や自然な翻訳を示している。 また、付録として動詞と文型を体系立て、読者の便に供している。

感想

一読して、エスペラント固有の癖というより、 日本語と西欧語の違いという観点があるように感じた。 といっても私は英語しか知らないから、 他の西欧語がどうかを知らないと強いことは言えない。

西欧語を感じたというのは、たとえば、40ページの「物の下位区分」 の項である。魚をいくら分類して記述しても意味がない、 と著者は述べている。西欧では、食用魚の種類が少ないからだ。

一方、エスペラント固有の癖と感じたのは、 kontroli と英語の control とは異なる、というところである。 エスペラントの kontoroli は英語では inspect, check に相当し、 英語の control はむしろ regidirekti であるとのことである。 しかし、英語以外の control (に相当する言葉)は、 ひょっとしたらエスペラントに近いかもしれない。 たとえば、エスペラントの demandi は、 英語の demand よりフランス語の demander に近いように、 またエスペラントの respondi は、 英語の respond よりフランス語の repondre に近いように。 調べてみると、フランス語の contrôle には、 英語の checkcontrol の両義があるようだ。

書 名エスペラント翻訳のコツ
著 者山川 修一
発行日1978年11月15日(第1版)
発行元日本エスペラント学会
定 価750円(本体)
サイズ101ページ、B6判
ISBNなし

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MARUYAMA Satosi