「まえがき」から引用する。
本書は『現代相対性理論入門』といっておきながら,少し難度の高いものになっています. 構成としては,特殊相対論からはじまり,相対論の基本的な考え方など一般相対論の導入を経て,多様体の基本事項と, 重力場についてのアインシュタイン方程式を書き下すために必要な微分幾何学からの数学的な準備に入っていきます. 続いてアインシュタインの一般相対論の説明をしたのち,ペンローズの特異点定理の証明を軸としながら,重力場中での光線の振る舞いを通して,時空の因果関係を解析する手法について学んでいきます.
私はテンソルがわからない。p.53 の記述をもとにまとめてみた。
2 つの実ベクトル空間 `V, W` を考える。`V` に属するベクトルと `W` に属するベクトルの有限個のペア `(v_1, w_1), (v_2, w_2), (v_3, w_3), cdots, (v_r, w_r) in V times W` を考える。 これらのペアの実線形結合
これらの規則を満たす `F` を `V` と `W` のテンソル積といい `VoxW` と書く。また `VoxW` のベクトルを `(v, w)` のかわりに `voxw` と書く。
`V` を `m` 次元とし、基底を `{e_1, e_2, e_3, ldots, e_m}` とする。また、`W` を `n` 次元とし、基底を `{f_1, f_2, f_3, ldots, f_n}` とする。 `(v,w) in F` について調べる。`v`、`w` の成分表示をそれぞれ `v = sum_(mu = 1)^m v^mue_mu`、`w = sum_(nu = 1)^n w^nuf_nu`として、上記規則にしたがって変形する。
ここで、第1式から第2式の変形は規則1を、第2式から第3式の変形は規則2を、そして第3式から第4式の変形は規則3を用いている。最後の式は、`mn` 個のベクトルの集合
以降、`p` 個の接空間と `q` 個の余接空間のテンソル積が構成されることが説明されている。ウーム、これはいいや。
そういえば、「まえがき」に出てきたアインシュタイン方程式とはどういうものだろう。p.133 から引き写す。
ローレンツ計量のみたす方程式は,
$ \mathcal{E} $ ` + Lambda g = (8piG)/c^4 T`によって与えられる.これを,アインシュタイン方程式という.ただし $ \mathcal{E} $ はアインシュタイン・テンソルで,$ \mathcal{E} $ ` = "Ric" - S/2 g`によって定義される.
文字がさっぱりわからない。`Lambda` は定数(宇宙定数)、`g` はローレンツ計量、`G` はニュートンの重力定数、`c` は光速、`T` はストレス-エネルギーテンソル(2 階のテンソル)、 `"Ric"` はリッチ曲率、`S` はスカラー曲率、というところまではわかった。
ASCIIMath を使っている。
書名 | 現代相対性理論入門 |
著者 | 井田大輔 |
発行日 | 2022 年 10 月 1 日 初版 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 3,600円(税別) |
サイズ | A5 版 229 ページ |
ISBN | 978-4-254-13143-7 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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