日本語を外国人に教えてみてわかること
この本では、ことばはいつも変わるものと見る。
日本語もそして他のことばも、この場面でこう使えるはずなのに、というところで意図した表現が使えないことが 多くある。コンピュータのプログラムで生計を立てている身には歯がゆいことおびただしい。 たとえば、次の呼び掛け「あぶないですから、エスカレータでは手すりにおつかまりください。」がある。 「あぶない」という形容詞に丁寧体の「です」をつけるのは舌足らずという意見がある。私も昔からそう思っている。 しかし、正しい丁寧体「あぶのうございます」は現代の日本では窮屈に聞こえる。 だから、舌足らずという思い込みは変えないといけない。他には「ら抜き」ことばの例もある。
ふだんからこんなこと考えている中、この本を見た。外国人教育の視点からという副題が私の購買欲をそそった。 この本には、先に私が挙げた話題を含め、日本語利用者が気にしなかったいろいろな例が述べられている。 著者はこう主張する。私も同意見である。
(形容詞の丁寧体に関しての部分について)日本の社会が、時代に合わせて必要とされながら、 まだ取り込めないでいる整合性を先取りしているとも言えるのである。
書 名 | 日本語の謎を探る |
著 者 | 森本 順子 |
発行日 | 年 月 日(第 ? 刷) |
発行元 | ちくま書房 |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | 新書判 |
ISBN | |
その他 |
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