松村一登:エクスプレス フィンランド語

2026-05-08

概要

「まえがき」から引用する。

ことばは文化と切っても切れない関係にあります. ちょうど日本の文化を知ろうとする外国人がまず日本語を勉強するように, フィンランドの文化を知るためには,フィンランド語を勉強するのが一番です.

感想

「本書ではじめて学ぶ人のために」が面白い。p.5 にある文から引用する。

フィンランド語は(中略)最初は英語などと比べてかなり難しいことばであるような印象を受けがちです. しかし,外国語の中には,最初に楽に見えていてもあとになるほど難しくなり,いつまでたってもできるようになった気がしないタイプのことばもあれば, 最初はとんでもなく難しそうなことばに見えても,学習が進むと意外に易しいことがわかるようなタイプのことばもあります. 英語が前者のタイプであることはみなさんも経験なさっていることでしょう. フィンランド語は後者のタイプです.

ということでフィンランド語が勉強できるだろうか。

フリガナ

エクスプレスシリーズは、どの外国語でも 20 課までである。そして 10 課までには、原語が書かれているページにはフリガナが振られている。 ところが本書は、フリガナが振られているのは 6 課までで、7 課からはフリガナがない。厳しい。

地名

本書の第8課、p.48 の本文は次のように始まっている。

Elina: Minä olen kotoisin Tampereelta. Ahti on Turusta.

訳が p.49 にある。

エリナ: わたしはタンペレの出身,アハティはトゥルクです。

この地名の列挙は、どのようにとらえればいいのか。日本語を読む限り、タンペレが大きな範囲、アハティが(タンペレに含まれる)中程度の範囲、トゥルクが(アハティに含まれる)小規模な範囲だろうと見当がつく。 寅さんこと車虎次郎のいう、わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又ですから想像して考えたらこうなった。 そこで本書の表扉を見てみると、タンペレは内陸にあり湖に面している一方、アハティ(という地名)は見当たらず、トゥルクはタンペレとは別の位置にある、海べり(バルト海)に面した都市だ。 Wikipedia で調べると、タンペレとトゥルクは別の都市圏を形成している。どうなっているのだろう。ここで混乱した。

本文をよく見てみると、アハティは人名だった。つまり、エリナは、「わたしはタンペレの出身,(で、ここにいる)アハティはトゥルク(の出身)です。」と言っているのだった。 実際、少しするとアハティが話している。最近、日本文を読む力がますます落ちた。

書誌情報

書名 エクスプレス フィンランド語
著者 松村一登
発行日 1986 年 4 月 15 日
発行元 白水社
定価 1800 円(本体)
サイズ A5 判
ISBN 4-560-00700-5
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