樫原辰郎による巻末の「新版解説『小説は何処から来たか』を解説する」から引用する。
『小説は何処から来たか』は平成七(一九九五)年に白地社から「とつぜん」出版された、一種の評論集であり創作論集もしくは読書論集である。
私は、ここに出て来る作品をほとんど読んだことがない。二葉亭四迷にしてもそうだし、ゴーゴリ、ドストエフスキーもない。 ああ、「鼻」や「外套」は読んだけれど、あまりにも昔だったのでさっぱり忘れている。だから、この本を読んでも私にはわからないことばかりだった。
p.134 で、宇野浩二は、広津和郎から近松秋江の質屋通いの噂をまたぎきして『蔵の中』を書いた、といわれている。
という記載がある。
そういえば、近松秋江は読んだことがある。出身高校のメーリングリストが二十年以上昔にあって、参加者の一人が、卒業論文で近松秋江をテーマに書いた、
ということを言っていた。講談社文芸文庫を買って読んだところ、本当にダメ人間である。私以上にダメ人間がいるとわかって、安心した覚えがある。
書名 | 小説は何処から来たか |
著者 | 後藤明生 |
発行日 | 2020 年 1 月 30 日 第1版第1刷 |
発行元 | つかだま書房 |
定価 | 3600 円(本体) |
ISBN | 978-4-908624-08-7 |
その他 | 草加市立図書館で借りて読む |
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