カバーから引用する
さあ、本書から、文系・理系をめぐる議論を一段上へと進めましょう。
おもしろかった。
これだけではあまりにも申し訳ないので、私事を少し書く。私がいた大学では文系も理系もあったが、 私は理系の入学試験を受けたので理系の学部に所属した。初年次は理系の必須科目として、 数学・物理・化学が必須で、かつ図学・生物学・地学のいずれかが必須だった。これらの自然科学は選択の余地がなかった。 このほかに社会科学から2科目、人文科学も2科目の選択が必要だったが、これらは選択の幅がかなりあった。私は社会科学のなかから法学と社会学を、 人文科学から地理学と論理学を選択した。ただ、思い出すと不思議だったのは、理系学部用に開講されている人文科学の中に、(歴史はあったが)科学史がなかったのだ。 文系学部用には開講されていたので、不思議だった。
本書の p.216 には、間違いなく社会科学とみなされるのは、既に見てきたように、経済学、社会学、政治学、法学などでしょう(後述するとおり、法学は少し独特ですが)。
とある。法学が独特というのは、どういうことだろう。読み進めていくと、pp.220-221 で、科学の分類に「実学」と「虚学」という区分があることが語られる。
その文脈で、法学は司法関係者など特定の専門職業人養成を行なうので、実学としての扱いを受けていると説明する。これが、法学が独特ということなのだろう。
私は学生時代に法学を受講したが、勘違いによって試験を一度受け忘れてしまったので、法学に対して恨みがずっと残っている(自分のせいなのに恨みを学問に向けるとはとんでもない)。
社会人生活の最後に契約担当者として携わったのがなんとも皮肉なことだ。
私は文系・理系の二項対立はよろしくないと頭では考えているが、自分は理系だから文系の仕事には向かないと体で拒否反応を示している。もう少し本書を読んで、文系と理系について考えたいと思う。
書名 | 文系と理系はなぜ分かれたのか |
著者 | 隠岐さや香 |
発行日 | 2018 年 11 月 7 日 第4刷 |
発行元 | 星海社 |
定価 | 980 円(税別) |
サイズ | 新書版 |
ISBN | 978-4-06-512384-3 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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