概要
帯の惹句より引用する。感応的な美の世界を描き、人間の孤独を鋭くえぐるムヒカ=ライネスの代表作。
感想
本文が2段組でちょうど 600 ページというこの大作を読み終えたのは、おそらく 1984 年から 1985 年にかけてのことだ。 当時私は学生で、学科の仲間と野沢温泉にスキーに出かけていた。昼はスキーをしたが、夜はきっと何もすることがないと思ってこの本を持って行き、 事実夜はすることがない(仲間はみなまじめで、私のように自堕落に酒を飲むような奴はいなかった)ので、仕方なく宿の炬燵にあたって本書を読んでいた。 そうやってなんとか読み終えたのだが、筋は全く頭に入っていなかった。
あれから 40 年が経過した。さすがに何も覚えていないのはまずい。時間はたっぷりとあるので、覚悟を決めて再度読むことにした。 ラテンアメリカの文学は濃密という印象があり構えていたが、思ったいたよりは読みやすかった。舞台がラテンアメリカではなくイタリアだからかもしれない。 ただやはり、世界が濃密であることには変わりない。2度目を読み終えられるのはいつになるだろうか。
誤植
p.186 下段、右から 10 行目、イグナシオ・デ・スニガいなくなって以来
とあるが、正しくは《イグナシオ・デ・スニガがいなくなって以来》だろう。
p.204 上段、左から 1 行目、外は小糖雨が
とあるが、正しくは《外は小糠雨が》だろう。
書誌情報
| 書名 | ボマルツォ公の回想 |
| 著者 | マヌエル・ムヒカ=ライネス |
| 訳者 | 土岐恒二・安藤哲行 |
| 発行日 | 1984 年 12 月 15 日 第1版 |
| 発行元 | 集英社 |
| 定価 | 2300 円(本体) |
| サイズ | A5判ページ |
| ISBN | 4-08-126006-0 |