序から引用する。
本書では,標準的な原子核の教科書に述べられていることはそれに譲り, ある偏った観点に従って記述した.その観点は,特に核構造に関しては,一言でいえば微視的記述である.
章立ては次の通り。
第Ⅰ部(第1章~第2章)と第Ⅱ部のうち第3章~第4章、第Ⅳ部(第11章)は高木修二が、 第Ⅱ部のうち第5章~第6章は丸森寿夫が、第Ⅲ部(第7章~第10章)は河合光路が、 それぞれ執筆している。
他の講座と同様、全く理解できなかった。私の頭が弱いのだから仕方がない。
第2章「核の性質および対称性」の§2.1 時空の対称性と核の性質 とから 「d) 時間反転」 を見てみると、p.27 に次のような説明と式があった。なお、本書では座標を r と表記しているが、以下の引用では `bbr` とし、斜体にはしていない。
状態 `|alpha:)` の波動関数を ` psi_alpha(bbr)` とすれば, (中略)`|alpha:)` として角運動量の固有状態を取るならば `psi_alpha(bbr) propto f_alpha(r)Y_(lm)` と表される。`Y_(lm)` は普通は
`Y_(lm)(theta, phi) = (-1)^((m+abs(m))//2) sqrt(((2l+1))/(4pi) ((l-abs(m))!)/((l+abs(m))!)) 1/(2^ll!) times e^(im phi) (sin theta)^abs(m) d^(l + abs(m))/(d(cos theta)^(l + abs(m))) (cos^2 theta - 1)^l`で定義され,`Y_(lm)^** = (-1)^m Y_(l-m)` という性質を持っている.
他の文献にある `Y_(lm)(theta, phi)` と微妙に使う気がする。
p.34 では、Young の図表
ということばが出ている。今はヤング図形と呼ばれている。
なぜヤング図形なのかと驚いたが、
核子(陽子と中性子の総称)の性質を探るため対称性を手掛かりにする方法があり、
対称性=群論というつながりでヤング図形が出てくるのだろう。
p.89 にセニョリティという概念が出ている。スペイン語のセニョールからきているのかと思ったら、 seniority の読み方のようなのだ。
書 名 | 岩波講座 現代物理学の基礎10 原子核論 |
著 者 | 高木修二,丸森寿夫,河合光路 |
発行日 | 1973 年 12 月 12 日 第1刷 |
発行元 | 岩波書店 |
定 価 | 1400 円(本体) |
サイズ | A5版 584 ページ |
ISBN | |
その他 | 越谷市立図書館にて借りて読む |
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