最初の章で、本書の目的として述べられている個所から抜粋する:
本書は(中略)惰性に満足しない探究心を呼び覚ますこと,(中略)技術的な問題を建設的に乗り越え, みずから鋭敏な感覚をもって課題に対し,このジャンルに寄与していくような創造的なセンスを呼び覚ますことを目的としています。
奥付に訳書紹介がある。面白いのは[いちばん好きな弦楽四重奏曲]の欄がある。 阿部氏は<フォーレ:Op.121,ベートーヴェン:Op.135>とある。フォーレの弦楽四重奏曲を挙げているところがすばらしい。 大橋氏は<シューベルト:《死と乙女》>である。 ちなみに本書では、フォーレは名前すら出て来ない。 ベートーヴェンの書法および個別の譜例は当然多く取り上げられているが、 Op.135 についての言及はない。シューベルトは、《死と乙女》については取り上げられているのは2か所である。
以上は感想ではない。本書の感想であるが、読み終えて弦楽四重奏曲に取り組みたい気持ちが湧いてくる反面、 こんなおっかないもの取り組むのはどうだろうか、というためらいも感じる。
書 名 | クァルテットの教科書 |
著 者 | ハーター・ノートン |
訳 者 | 阿部 卓也、大橋 咲子 |
発行日 | 1997年8月20日 初版第1刷 |
発行元 | 春秋社 |
定 価 | ???? 円(本体) |
サイズ | |
ISBN | 4-393-93443-1 |
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