広島発祥のパン屋、タカキベーカリーの物語。
タカキベーカリーの創始者は高木俊介と高木彬子の夫妻である。本はどちらかというと彬子の活躍に焦点があてられているようにみえる。 それはともかく、こんな話がある(pp.184-185)。高木俊介が雇った社員は、社に欠かすことのできない職人となる。 この職人が入社してまもなくのことである。工場の近くにある瀬野川でウナギをとって、工場のオーブンを使ってウナギを焼いていたら、 高木俊介がやってきてみつかってしまった。おまけにボーナスも他の社員より少なった、というエピソードである。
瀬野川でウナギがとれたのか。瀬野川で昔泳いでいた人を知っているので聞いてみたい。
p.175 にはこんな話がある。高木俊介は社長で、 高木彬子は会社の広報部長だった。広報の担当者である寿山と社長の高木俊介とのやりとりである。
また、あるとき、寿山が予算三千五百万円ほどの十五分のテレビ番組に関する稟議書を俊介に提出すると、 真っ逆さまに印鑑が押されて返されてきた。承認はするけれども、異はあるという意味だった。 これは、俊介がしぶしぶ認めるときや本意ではないというときによくやる手だった。
この真っ逆さまの印鑑は、別の本で出てくる。
書 名 | アンデルセン物語 食卓に志を運ぶ「パン屋」の誇り |
著 者 | 一志 治夫 |
発売日 | 2013 年 7 月 25 日 |
発売元 | 新潮社 |
定 価 | 1300 円 (税別) |
サイズ | 204p ; 20cm |
ISBN | 978-4-10-303152-9 |
その他 | 越谷市図書館南部図書室で借りて読む |
NDC | 588.32 : 食品工業 |
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