慣れ親しんだ言葉の意外な素顔
著者はテレビ番組「探偵!ナイトスクープ」のプロデューサーとして活躍していた。 この番組の最大のヒット作が単行本化された。 アホ・バカを意味する方言は、柳田国男も驚くほどの見事な周圏分布となっていた。
テレビの力をこれほどまざまざと見せつけられたのは初めてだった。 それにもましてアホとバカの語源を探る過程は圧巻。 個人的には、琉球方言「フリムン」の語源に感動した。
アホやバカといった、相手をののしることばを各地域からどのように収集すべきか。 たまげたのは「教育委員会に連絡する」という方法だった。私には百年かかっても思いつかなかった。 そして、回答がファックスで寄せられてくる。この当時の紙の束が送り出される様子が目に見えるようだ(2019-05-04) 。
全然この本には関係ないが、1998年5月20日、田中康夫がテレビに出ているのを見た。 彼が大阪にいたときに、事件が発生して119番に電話したときの話をしていた。 「住所はどこだ」と聞く消防署員に「そんなのわかるわけないだろ、バカ」と田中さんが怒ったところ、 署員いわく「バカとはなんだ、アホといえ」。
書 名 | 全国アホ・バカ分布考 |
著 者 | 松本 修 |
発行日 | 年 月 日 |
発行所 | 新潮社 |
定 価 | 円(本体) |
サイズ | 文庫判 |
ISBN | |
その他 | 新潮文庫 |
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