大杉 隆:大杉隆の40字で答えなさい |
作成日: 2013-07-10 最終更新日: |
読了後、ニュースの見方が確実に変わる、というふれこみの本。 第1章は日本の政治に、第2章は国際政治に、第3章は社会問題に当てられている。
p.59 の問題は<「野党」の仕事とは何か?>である。解答は同書を見ていただくことにして、 その解説に2007年夏の参議院選挙で出現した「ねじれ国会」が言及されている。 「ねじれ」があるからこそいろんな問題点が浮き彫りになる可能性が増す、といって 「ねじれ」は実にすばらしい、といっている。具体的にはガソリンの暫定税率問題について述べている。
一方、p.92 の問題は<「参議院」の役割とは何か?>である。 著者は参議院が不要という立場に立っている。その理由を2つ紹介している。 一つは参議院の衆議院化である。党派を超えた、良識の府として、 独立した政治家として判断すべき参議院の議員も、今となっては党に拘束されているので存在価値がない、 というものだ。 もう一つは二院制そのものへの疑問である。 衆議院は解散があるので政治的空白が生じる可能性がある。 そこで、その空白を代替するのが参議院でもあるが、現在ではそのように機能してはいない。
このように考えてみると、参議院はムダなようにも思える。 評者は参議院は衆議院とは違う役割が必要だと思っていたので、 二院クラブに投票していたこともあったが、参議院でいまはそのような党はない (もっとも、二院クラブに良識のある議員がいたかどうかという問題はある)。
しかし一院制にしてしまうと、ねじれが起こせなくなる。どうすべきなのだろうか。 著者はこの両者の矛盾を解消する手段については語っていない。
俺はこう考える。国会を一院制するとともに、かつ国民の側に立つジャーナリズムが奮起して、 国会とジャーナリズムとのねじれを作ることだ、と。
書 名 | 大杉隆の40字で答えなさい |
著 者 | 大杉 隆 |
発行日 | |
発行所 | 大和書房 |
定 価 | 1100円(本体) |
サイズ | A5版 |
ISBN | 978-4-479-39204-0 |
NDC9 | 302.1 |
その他 | つれあいから借りて読む |
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