報告会

作成日:2000-10-17
最終更新日:

さて、私の率いたこのプロジェクトは、報告会をしなかった。 それどころか、慰労会も開かなかった。 それだけ、大変だった、ひどかった、ということなのだろう。 あるいはまた、報告会や慰労会の 指揮を執るだけの裁量もこいつにはなかろう、と上層部が判断したのかもしれぬ。

上司は、ちゃんと報告会をやるからそのための準備をしろ、 と私に言ったのであるが、 私が聞き流してぼんやりとしているうちにあれよあれよと月日が経ってしまった。 私が配置転換になったから遠慮があったからかもしれない。 また、引き継いだ部隊にも積み残した仕事が山ほどあったから、 仮に報告会を行なったとしてもそれを聞くだけの余裕がなかったとも考えられる。

なんらかの形で資料を残しておけば、後に役に立つのかもしれない。 しかし、失敗を書き連ねるのはつらい作業である。まして、 それを報告しなければいけないということは、 自分がいかにダメな人間であるかを人前に晒すことになる。 そのため、報告会ではきれいごと、 うまくいったことを中心に述べることになりがちである。 もちろん、反省点も当然あるのだが、 これらは付け足しのようになってしまう。 過去の報告会は、このようなものがほとんどだった (こういうのを大本営発表という)。いってみれば、 報告会はお祭りであった。 そのため、当時の大ボスは、 いいことしか言わないような発表会などやめちまえ、というのだった。

さて、近々、ある大型プロジェクトの報告会が予定されている。 うまくいったのかいかないのか、 調べようと思う。

ちなみに、 ISO 10006 によるプロジェクトの定義には、 「開始時期と終了時期があるもの」 という項が含まれている。

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MARUYAMA Satosi