副題は「キャンパスの OR 」となっている。大学というコミュニティーに関係する問題にしぼって、オペレーションズ・リサーチ (OR) の手法を解説した好著である。
著者は当時東京工業大学の教職にあり、その経験から大学で遭遇するいろいろな問題を扱っている。 内容は主にオペレーションズ・リサーチ(OR)に関するものであり、 その切れ味は鋭い。また、一つの問題が多くの観点から解きうること、 最善と思われる解があっても、さらに研究を進めることによってよりよい解が得られることがわかり、 読んでいて楽しくなる本である。(2009-03-07)
その例の中には、川崎英文/谷口説男:最適化法/数理ファイナンスへの確率解析入門で参照されているものもある(2024-05-05)
p.112 で述べられているアロウの一般不可能性定理を読んだときは衝撃だった。
というのは、この定理は本書の表現を借りれば民主主義社会の決定方法が満たすべき条件を精しくを(ママ)検討した結果,
完璧な社会的決定方式は理論的に存在しえない
というものだったからだ。
誤植は次の通り。
ページ/行 | 誤 | 正 |
---|---|---|
p. 112/ll. 11-12 | 民主主義社会の決定方法が満たすべき条件を精しくを検討した結果 | 民主主義社会の決定方法が満たすべき条件を精しく検討した結果 |
書 名 | 数理決定法入門 |
著 者 | 今野 浩 |
発行日 | 1992年9月15日(初版第1刷)、1995年10月10日(初版第4刷) |
発行元 | 朝倉書店 |
定 価 | 2600円(本体) |
サイズ | A5判 ページ |
ISBN | 4-254-12608-5 |
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