永い言い訳

作成日:2016-10-23
最終更新日:

あらすじ

主人公の作家、津村 啓(本名:衣笠 幸夫)は、妻を不慮の事故で亡くした。その後……

感想

永い言い訳は、つれあいが誘ってくれた。監督が、広島県出身なのである。 だから主人公の本名が「きぬがさ さちお」なのだと思った。

音楽

ヘンデル三連発

最初に出てきたクラシックはヘンデルの「調子のよい鍛冶屋(愉快な鍛冶屋とも)」だったのには驚いた。 このときのピアノはたどたどしい演奏で いかにも初級者という印象だった。音は簡略化されたもので、楽譜を読みやすくするためだろうか、調性もヘ長調だった。 その後、ギター版が出てきて、 エンディングではタイトルバックとともにピアノのホ長調の原曲、ノーカット版が流されたのだった。 「おぬし、やるな」というのが監督に向かっての率直な感想だった。 はじめに比べ、エンディングの演奏は明らかにうまくなっている(がわずかに間違えたり、リズムがぎくしゃくしたりしている)。 きっと、永い間、アマチュアが練習してうまくなったということを言いたいのではないだろうか。 そして、なぜこの曲なのか、ということだが、変奏曲ということに加えて、 鍛冶屋で、亡くなった主人公の妻の美容師の仕事道具にかけているのではないだろうか。 ハサミをちょきちょきする場面は、ところどころにあったのだから。そんな考えはちょっとうがちすぎだろうか。

さてヘンデルだが、途中でト短調の「パッサカリア」(ヴァイオリンとチェロの、いわゆるハリボルセン編曲か)が聞こえてくる。 よりによって、ヘンデルで固めてくるとは。

最後近くになって、「オンブラ・マイ・フ」(いわゆるヘンデルのラルゴ)が、 歌われているのだ。最初は不安定な音質からボーイソプラノかもしれないと思ったが、 どうやら大人の女性による歌唱だった。私の耳もまだまだだ。 ともあれ、三度ヘンデルが聴けるとは思わなかった。

なお、以上のことは映画を見て初めて感じたことだった。 その後この映画のサウンドトラックの amazon による情報で再確認した。

その他

公式リンク(nagai-iiwake.com)

記録。2016 年 10 月 22 日、西新井の東宝シネマで見る。

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MARUYAMA Satosi